僕の思いには羽根が生えない。
文字数の限定された場にこびりつく失意。
いつだって魂も囚われっぱなしだ。
願わくは天馬空ゆく物語を紡いで
窮屈な現実から解放されたかった。
だけどとっ散らかる僕の物語は衝動のまま、
とどのつまり又原稿用紙を引き裂く。
歌の一つに慰み得ようとギターつまびけど、
僕の感傷は言葉にならないリフレイン。
仕方がないから上を向いて歩き出す。
夕暮れの坂道に立ち止まる老いた影法師よ。
要は僕から吐き出されるものは珠玉に至れず、
蹴飛ばされる石ころにしかならない。
いいさ雨上がりの虹の彼方に
晴れ晴れと又その石ころ蹴飛ばすさ。