六月の雨ふる休日
部屋にひとり
今は亡き人の歌声を聴いている。
この部屋に僕だけの呼吸は繰り返されて
僕は相変わらずのさみしさと戯れる。そうして
曇りガラスの向こうの
灰色に燻る世界に思いを馳せる。
もう真っ平だ……
と呟く。
あぁ願わくはこの
六月の雨ふる休日のさみしさと
このさみしさとだけずっと慰みあっていたい。
僕のさみしさは我が影法師となりて現れて
この部屋の白い壁に浮かび
僕の失意と孤独を受けとめてくれる。
だから僕は……
と思う。
曇りガラスの向こうの世界には
暴力的な眼差しと
謂れなき悪意が待ち構えていて、
その世界に呑み込まれねばならない
やがて来る明日が
既に苦しい。
助けて……
と思う。
助けて……
と呟く。