勝者のごとく笑む。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 一発の弾丸を仕込んだ拳銃、

 殺傷能力抜群のそれを懐に忍ばせて、

 しじまの冬に仰ぐ空。

 袋小路の暗くて寒い寂しさが優しい。

 

 いつか死ねるだろう……と、

 胸の拳銃そっと確かめ呟けば、

 冷徹な月が小さく笑う。

 こわばりほぐして僕も微笑む。


 拝啓、
 永山則夫さま。

 僕の拳銃はまぼろしゆえ、

 いつだって世界を撃ち抜けるだろう。


 今は亡き

 親愛なる君、

 僕の弾丸は夢を撃つゆえ、

 繰り返す営為が僕を永遠へ導くだろう。