歌.248 束の間の夏の記憶なら僕にもあるのだから、今が鬱々と楽しめぬのなら、その楽しめぬ今を歌えばいい。飢えと寒さに衰退してゆく季節なら、そこを居場所に温かく豊かな夢を紡げばいい。 と震えつつ思いつつ、泣き濡れて一首。訪れた冬辛くともキリギリス忘るるなかれ歌うたいの性(さが)は。