奴とだけは縁を切らせてくれ。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 来年4月以降に関しては、取り敢えず、行けと言われた場所に素直に行くつもりでいる。しかし、これだけは勘弁してくれ……と内心思っていることがある。
 そう、お願いだから奴と同じ場所にだけは配属しないでくれ……と。
 生理的にどうしても受け付けない、と息を詰めながら、しかし表面上は取り繕って13年もの歳月に渡って付き合って来た職場の同僚がいる。今回の件を機に、その男との縁もそろそろ切れてもいい頃だと思う。
 いや、もしも奴が、単純明快に嫌な奴だったら、こっちも寧ろ楽だったのだ。相手がそういう奴だったら、こちらも明快に悪意を表明して対峙すればよいだけのことだから。いっそ、気が楽だし、それほどストレスも堪らなかったろうと思う。
 問題なのは、その男が基本的にはお人好しで、嫌ったら可哀想だろ……というタイプの男だったりするのだ。
 真面目で温厚な好い人である……と頭では思う。頭ではそう思えるのだけれど、でも生理的にどうしても受け付けない。これって人間関係の悲喜劇で言えば、結構、喜劇的な地獄だぜ。だって露骨に、「お前が嫌いだ…」という態度を表明すれば、こっちが狭量な奴になっちまうし、だったら、いっそのこと好きになろうと努力しても、どうしても相手のことを心から受け入れることが出来ないし……

 で、そういう奴に限って仲間意識が強いというか、べたついた関係を築きたがるのだよな。

 内心では彼のことを、「ねっちょり君」と呼んでいる。人との接し方や雰囲気が、妙に粘ついた不潔っぽい印象を受けるからだ。

 これって、もしかして恋?……と首を傾げたくなる程、この13年の歳月、奴の存在が脳裏から完全に離れたことはなかった。ただ恋愛感情を持った相手への思いとは違い、奴への思いは、どうして好きになってあげられないのだろう……とか、どうしてこうも存在に不快感を覚えてしまうのだろう……とか、思えば思うほど鬱々と心が根腐れしてしまいそうなネガティブな感情ばかり。そりゃ堪えず脳裏から面影が離れないといっても、あの人と奴への思いとでは、湧き上がる感情に天国と地獄ほどの差がある。
 冗談ではなく結構マジで、いい加減この喜劇的なる人間地獄から解放してくれよ、と思う。

 来年4月以降の移動先、奴と重ならないように……それだけは切に願うばかりだ。

 だけど今の雰囲気だと、来年4月以降も奴との腐れ縁がまだまだ続きそうな予感はするけれどね。