始まらなかった人生よ。 | 春田蘭丸のブログ

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願わくは角のとれた石として億万年を過ごしたい。

 とっくの昔にこの世に生み出されて、

 人格はおろおろ形成されて、

 骨格もひょろひょろ形づくられてしまった。

 そうして人生おろおろひょろつきっぱなしだ。


 馴染めぬ世にはいつまでも受け入れられず、

 傾いた陽が沈んで落ち切るまでに

 もう時間はそれほど残されていない。

 それなのに人生まだ始めることが出来ない。


 一体なんのために生まれてきたのか、

 倦み疲れるそれだけのため生まれてきたのか、

 生きながらに葬られたこの場所で

 既に半ば死の僕は亡霊のブルースを今日も歌う。

 

 おろつくおのれの人格と、

 ひょろつくおのれの骨格と、

 更にこの娑婆苦の諸々とを、

 呪詛まじりに日々の歌に託し朽ちゆくだろう。