どうもあの大チョンボ以来、気持ちが塞ぎがち。一向に心に晴れ間が覗かない。
精神状態かなり悪くなっているのを自分でも如実に感じる。
鬱が手招きで、「ほら、こっちへおいでよ……」と誘いかけて来るのだ。
15歳の頃の半年ほど、激しい鬱に陥ってしまった時期がある。その鬱からは何とか自力で抜け出したものの、その後も現在に至るまでの30年近く、おのれの脆弱なメンタルを思い知らされることの繰り返しだった。今回に限らず、鬱はいつだって、「ほら、ほら……」と手招きで誘ってきたし、いつだって、15歳のあの鬱に再び嵌まり込む不安に怯えながら、恐る恐る、自分のメンタルと相談しながら生きるしか術はなかった。
精神状態が悪くなったら、これ以上その状態を悪化させて取り返しが付かなくなることを回避する、それをまず第一に心がけて、何とか騙し騙し今日まで生き延ばして来た。今回も自分のメンタルと相談しながら、あの15歳の地獄の季節に再び迷い込まぬよう、何とかメンタルの安定を取り戻すことを生活の第一義として、暫くは慎重に日常を送るつもりだ。
まぁ鬱を悪化させない手段として、精神が安定しているとき以上に入念な運動を心がける、とか。部屋の中を、これもいつも以上に小綺麗に維持しておくことで、精神を更に澱ませることないよう注意する、とか。後は栄養のバランスを考えた規則正しい食事、特に精神の安定や鬱に効果のあると言われている食べ物を通常より積極的に取り入れる、とか。仕事の面では、更にヘタこいてストレスを増加させぬように、これもいつも以上に慎重に……とか。
そして何より一番大切なのは決して無理せず休養第一、とか。
今までは要するに、日常生活を通常より更にしっかり送ることを心がけることで、やばい精神状態から何とか抜け出してきた。今回もそれを心がけている。しかし正直言って今回は、抜け出す自信がちょっとない。
なぜって、既に十数年に渡って繰り返されて来た代わり映えのない日常そのものに倦み疲れているからだ。
そう、この鬱から完全に抜け出す場所、それは、この日常を全部チャラにして逃げ出した場所、そこにしかないような気がする。そして、そこに抜け出せる日は……遥かに遠い。
或は……死か。