皆様は、バスタプロジェクトをご存じだろうか?

 

バスタと聞くと、たいていの人は『バスタ新宿』を思い浮かべるであろう。

そのバスタを全国各地に造っていこうという動きが、昨年頃から国土交通省主導で研究が始まっているようだ。

(出典元:国土交通省資料

 

現在、候補地として、札幌、仙台、新潟、呉(広島)、大宮(埼玉)、長崎が挙がっているが…

私は、ここに長野も加えてはどうかと考える。

 

「近隣県にはない長野の強みは何ですか?」と聞かれたときに、私は、こう答えるであろう。

 

「3大都市圏(首都圏・中京圏・近畿圏)」とのアクセスという意味で、今後バランスが良くなっていくということ、それぞれの都市と優等列車でドアトゥドアでアクセスできること、キャパも充実していることであろう。

 

詳細に説明すると、現状では、対首都圏で6~7割、中京圏と近畿圏でそれぞれ1割~2割と考える(皮膚感覚的に…)が、北陸新幹線の新大阪延伸後は、対首都圏が4割、近畿圏が3.5割、中京圏が2割、その他0.5割と県隣県の主要都市と比較して概ねバランスのとれたイメージだろう…

 

例えば、新潟だったら、7~8割は首都圏への志向が圧倒的に強く、残りの2割は近畿圏で中京圏との交流は皆無に近い印象だ。他方で北陸3県(富山・石川福井)は首都圏が3割、近畿圏5~7割、中京圏は1~3割といったところだろうか…

 

北陸新幹線が2023年にも敦賀まで延伸され、2040年代にも小浜市、京都市を経由して新大阪駅まで繋がる予定でプロジェクトが進む中、現在、金沢と名古屋を結ぶ特急「しらさぎ」の去就が注目されているとのこと。

 

特急「しらさぎ」は現在、1日13往復しているが、このうちの半分弱が米原止まりで、名古屋に行くには、そこから東海道新幹線の「ひかり」か「こだま」への乗換が必須となっている。

 

私は、特急「しらさぎ」が廃止になるということはさすがに考えにくいが、北陸の中心都市である金沢市~名古屋市間の特急での輸送は、JR西の公式発表では、2023年の新幹線敦賀延伸で、金沢~敦賀間の特急運行が廃止されることは決定事項ですし、今後の動向如何によっては、運行本数や車両数の削減、名古屋駅との直通列車の廃止、或いは特急の停車駅増加ということは起こりうる、懸念材料ではなかろうかと考える。

 

その一方で、長野の弱みはどこかと聞かれれば、「3大都市圏へのアクセスは良好なのに、都市→都市→都市に上手くリンクしていない」これが私の答えである。

 

(出典元:長野市役所公式HPより(PDF)

 

例えば、善光寺口側は市内路線バスが集約されている一方で、高速バス乗り場は善光寺口側と東口側で分散していること、アルピコ交通と長電バス、WillerExpress…というように、乗り場や待合所がバス会社毎に分散されており、乗換の面ではねぇ…というところでしょうか。

 

であれば、以前から私が指摘してきた、羽越新幹線長野-長岡・新潟ルートと信越線直江津-長岡間、篠ノ井・中央西線の160kmへの高速化・全線複線化に加えて、用地的にもまだ余裕がある長野駅東口側に「バスタ長野(構想)」の整備による高速バス乗り場の集約化、長野駅の全面高架化による善光寺口側⇔東口側との連絡のフラット化…と、これら4点をセットで街づくりを進める事も検討してもいいのでは…と考えるが如何だろうか…

 

(それよりも、先ずは台風からの復興と、それによる経済損失を挽回に努めることが最優先ですが…)