みずたまり。
皆様こんにちは。
雨に打たれながら原宿を走った今日。
車のライトが照らす水溜りが映し出した油絵のように濁った自分の顔を見て思った事。
イギリス。
ウィンチェスター。
十一年前。
当時僕はウィンチェスター・カレッジと言う学校にいたんだけど
そりゃもうイギリスで一番古い学校
1382年に設立され伝統中の伝統
朝起きたら教会に行き
昼はラテン語で”いただきます”と言い
夜は600年以上も前から鳴り続けている学校のベルを聞きながら宿題をする。
親父やおじいちゃんも行ったこの学校で僕はイギリスの伝統と言うものが染み付いたけど
自分の頭がほぼ”無”に近づけた一時があったのです。
冬の季節になるといわゆる”マラソン大会”があってね
そのトレーニングの為に毎晩走るんだ
そしてイギリスだからね
雨が降るんだよ
結構なペースで。
皆必死に走ってるからさ
もうお互い同士話す余裕なんかないじゃん。
普段”寮生活”ってもんは”団体””統合”
皆朝から晩まで一緒
だから正直ずっと話していて自分の事を客観的に見れないんだよね。
だけど毎晩走ってる時
特に雨が降ってる時には
水溜りを飛び越す時に下を見ながら飛んでいてさ。
自分の顔がほんの一瞬照らされて
”お前どんな将来歩むのかな?ちゃんと大人なれんのかな?”とか思ってたんだよね。
よく後ろに走ってる奴が”お前大丈夫かよ?そんな下見ながら馬鹿みたいにジャンプしてて何やってんだよ?”って言われたけど
きっとこれって自分の中での変な儀式みたいだったんだろうね。
んで今日原宿。
セールがあってさ。
雨どしゃぶり。
五時に終わっちまう。
間に合わない。
走る。
飛ぶ。
ヘッドファンが落ちる。
車が通る。
ライトが照らす。
僕の顔。
時間が止まる。
ライトが去って顔がぼやけた後でも自分は地面を見続ける。
十一年去ったんだ
俺って今何やってんだろう
当時何になりたかったけ?
親父みたいにジャーナリスト?
そう。俺はBBCのキャスターになるんだ!!
日本を世界に見せ付けるんだ!
歴史の本に自分の名前を残してやる!!
こんな事思ってたよなー
髪から流れ落ち初めた雨の一滴が二 三 四
背中をなぞり落ちて染み込む寒さ
僕は立って”今”に戻り
そこを走り去りました。
11年前のウィンチェスターの夜と
今の原宿の夕方
時を越えて思いを膨らませた”雨”と”みずたまり”
やんなきゃいけない事が沢山ある。
あの時の僕と今会って報告したら何を言われるだろう
最初は驚いて笑ってくれるんだろうな
でも
”それでその後は?”って言われた時
僕は素敵な答えがでない。
まだまだやんなきゃいけない事がある。
怠けてられないな。
タイムキーパーは待ってくれないよ
自分の手の中に自分の人生を
今からでも握りましょう。
Travisの”Turn”が東京に流れる
似合わねーな この高層ビルの塊
ではでは
素敵なサタデーナイトを
人生。
無駄にしちゃ駄目だよ