いつもご覧いただきありがとうございますニコ

 

 

以前、東京ディズニーシーアメリカンウォーターフロントにあるニューヨーク・デリでは、1910年代初頭というテーマポートの時代設定に合わせ、当時の有名人もこのお店を賞賛していることを示すプロップスがあることについて書きました。

 

 

 

 

リブログ記事では、当時最有力の銀行家であったジョン・ピエポント・モルガン(John Pierpont Morgan, 1837-1913)が”You can Bank on the New York Deli!”(ニューヨーク・デリは信頼できる!)と、銀行家らしい洒落を効かせた"bank on"というフレーズでデリを賞賛していることを紹介しています。

 

 

 

さて、ニューヨーク・デリを賞賛するのはJ.P. モルガンだけではありません。

 

 

デリの入口には他にも著名人の言葉が掲げられています。

 

 

これなんかはお分かりになりますでしょうかはてなマーク

 

 

 

 

"You can't monkey with Quality"…サルを指す"monkey"ですが、動詞としての用法があり"monkey with"で「○○をもてあそぶ」という意味になります。

 

 

 

 

なので、このフレーズは「品質をもてあそぶことはできない」と言っていて、ニューヨーク・デリが提供するフードのクオリティの高さを称えていることになります。

 

 

 

ここで、この讃辞を贈ったのがウイリアム・ジェニングス・ブライアンWilliam Jennings Bryan)であるというのがポイント。

 

 

 

 

彼は、1896年、1900年、1908年と3度にわたり、米国大統領選に民主党代表候補として挑んだ人物として有名ですが、他にも彼は、ダーウィンの進化論に反対して論陣を張ったことでも知られています。

 

 

「ヒトの祖先がサルであったことなど認められない」という立場を貫いた彼は、最晩年には、進化論を巡る裁判、通称”Monkey Trial”に検察側代表として参加します。

 

 

 

 

こうしたことから、"monkey with"という表現を使ったウィリアム・ジェニングス・ブライアンの讃辞は、進化論を巡る彼の逸話と関連の深い洒落となっていることが分かります。

 

 

J.P. モルガンといい、ウィリアム・ジェニングス・ブライアンといい、讃辞の主の個性と関連付けたセンスの高いフレーズ作りが非常に面白いプロップスです。

 

 

ニューヨーク・デリの店内には他にも有名人からの讃辞が送られているので、また機会を改めてご紹介したいと思いますウインク