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先日、カリフォルニアのディズニーランドのアドベンチャーランドにあるツリーハウスが昨年11月10日にリニューアルオープンしたことをご紹介しました。
生まれ変わったアドベンチャーランド・ツリーハウスは、東京ディズニーシーでお馴染みのS.E.A.(Society of Explorers and Adventurers = 探検家と冒険家の学会)の要素が加えられ、いろいろと想像が膨らむバックストーリーとなっています。
その中で特に気になったのが、ツリーハウスに住む一家の長女の部屋。
天体観測に興味があるという設定で、部屋には天体図や天体模型が置かれています。
この中で、左手前の太陽系の惑星を表した模型に注目。
似たような物を東京ディズニーシーで見たことはありませんか…
そうです
メディテレーニアンハーバーのフォートレス・エクスプロレーションにある惑星の部屋(Chamber of Planets)。
…なのですが、このツリーハウスにある惑星の模型をよく見てみると、あることに気付きます。
ディズニーシーのフォートレスの惑星の部屋にある惑星は、水星、金星、地球、火星、木星、土星までの6つ。
これに対し、ツリーハウスの模型は、水星、金星、地球、火星、木星、土星に加え、天王星、海王星と合計8つあります。
以前、フォートレスの惑星の部屋をご紹介した記事の中で、惑星の部屋の模型に惑星が6つしかない理由について説明しました。
記事をおさらいすると、肉眼でも観察可能な土星までの惑星の存在は先史時代から知られていた一方、天王星の発見は1781年3月13日、海王星の発見は1846年9月23日と、近代の出来事。
中世の要塞を起源とするフォートレス・エクスプロレーション内にある惑星の部屋は、17世紀以前に造られたものだと考えられます。
これに対し、海王星までが存在する一方、1930年に発見され、近年に至るまで太陽系の惑星の一つに数えられていた冥王星が含まれないツリーハウスの模型は、19世紀半ば以降から20世紀初めまでの間に造られたものではないかと考えられます。
もしそうだとすると、一つ興味深いことは、リニューアル後のアドベンチャーランド・ツリーハウスに着想を与えたディズニー映画『スイスファミリーロビンソン』との時代設定のズレです。
これも過去記事でご紹介しましたが、東京ディズニーランドやディズニーランドパリのアドベンチャーランドに残るスイスファミリーのツリーハウスでは、一家が遭難し漂着したのは1805年の出来事。
これは海王星発見の40年以上も前のことです。
カリフォルニア・ディズニーランドのツリーハウスの一家を構成する父・母・長女・長男の名前や年齢は明らかになってはいませんが、スイスファミリーが父・母・長男・次男の家族構成であったことや、この時代設定のズレを合わせて考えると、やはり『スイスファミリーロビンソン』はアトラクションのヒントとなっただけで、ストーリーは全く異なるものと考えるべきなのかも知れません。
…あるいは、40年の時代のズレを踏まえると、アドベンチャーランド・ツリーハウスの一家は、スイスファミリーの長男フリッツか次男のアーネストが成長し、何らかの理由で一家と共にツリーハウスへ戻って来たというストーリーだったりして