皆さんおはようございます
今日はディズニーランドパリ版のホーンテッドマンションとも言うべき、「ファントムマナー」(Phantom Manor)のお話をしたいと思います。
過去記事でご紹介したとおり、ホーンテッドマンション・タイプのアトラクションと言っても、ディズニーランドパリのファントムマナーは西部開拓時代をテーマとしたフロンティアランドにあります。
東京ディズニーランドで言うと、ウエスタンランドにホーンテッドマンションがあるような感じです。
当然ながら、アトラクションのバックストーリーも他のディズニーパークのホーンテッドマンションとは大きく異なり、なんとビッグサンダーマウンテンと連動したストーリーが用意されています。
この辺のお話は上にリンクを貼った過去記事で詳しく書きましたので、興味のある方は合わせてお読みいただけると嬉しいです
他のパークのホーンテッドマンションと同様に、アトラクションの外には墓場があるのですが、その墓場の様子も西部開拓時代ならではの工夫が凝らされていて、拳銃による決闘でブーツを履いたまま死んだガンマンの墓などを見ることができます。
この点については、以下の記事でご紹介しているので、そちらも合わせてご覧いただければと思います。
ではアトラクションの内部はどうなっているのかと言うと、書きたいことはたくさんあるのですが、今日はその中から一つだけ。
西部開拓時代がテーマのフロンティアランドということで、中心的な時代設定は19世紀後半となっているのですが、ファントムマナーのアトラクション内の様々なシーンの中に、実際に19世紀後半に制作されたアート作品からインスピレーションを得た場面が登場します。
それがコチラ。
化粧台に向かう花嫁のシーンです。
このシーンにインスピレーションを与えたアート作品とは、チャールズ・アラン・ギルバート(Charles Allan Gilbert, 1873-1929)が1892年に制作した’All is Vanity’です。
この作品のタイトルにある"vanity"は、「化粧台」という意味で使われるほか、「うぬぼれ」という意味でも使われます。
化粧台の鏡の前に座る女性が、自らの美しさにうっとりしている様子を表すダブルミーニングになっているようです。
そして、何よりもこの作品に強烈な印象を与えているのが、女性の顔とその鏡像に化粧台に並べられた化粧品が相まって、ドクロのシルエットを構成していること
この若く美しい女性も含め、誰もがいずれは死に行く運命にあることを思い起こさせる、「メメント・モリ」(memento mori, ラテン語で「自分がいつか死ぬことを忘れるな」という格言)のメッセージを込めた作品になっています。
制作年代といい、作品のテーマ・構図といい、フロンティアランドのファントムマナーにピッタリの作品だと思いませんか