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東京ディズニーシーのメディテレーニアンハーバーにあるイタリアンのレストラン、リストランテ・ディ・カナレットの店内に飾られたカナレットCanaletto)ことジョヴァンニ・アントニオ・カナール(Giovanni Antonio Canal, 1697-1768)の絵画の観覧記録の第三弾です。

 

 

これまでに紹介した絵画については、コチラの過去記事もご覧いただけると嬉しいですほっこり

 

 

 

 

本日ご紹介したいのは、ホールのエントランス近く、向かって右側の壁に掲げられているこの絵。

 

 

 

 

ヴェネツィアのサンマルコ湾」(Bacino di San Marco, Venice)と題されたこの絵画、実物はアメリカのボストン美術館(Museum of Fine Arts Boston)にあります。

 

 

 

カナレットの絵と言えば、過去記事でご紹介してきたとおり、現代のカメラの起源とも言うべき「カメラ・オブスクーラ」という道具を使用した、ヴェネツィアの街の精密な描写が特徴です。

 

 

しかしながら、この絵を所蔵するボストン美術館の解説には、非常に興味深いことも書かれてあるので、引用します。

 

 

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Although Canaletto painted his cityscapes with great precision, he also allowed himself to take liberties with the details of a scene and combined several viewpoints in order to produce a more "picturesque" composition.

 

(和訳)

カナレットは街の光景を非常に精巧に描き上げたものの、風景の詳細部分については自由を発揮し、より「絵になる」構図を生み出すために複数の視点を組み合わせることも許容した

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つまり、まるで実物のように見えるカナレットの絵画は、実物そのものではなく、理想的な風景となるように画家自身によるデフォルメが加えられている、ということになります。

 

 

Google Mapを使って、実際のヴェネツィアのサンマルコ湾の眺めを、この絵に近くなるような視点から見るとこんな感じでしょうか。

 

 

 

 

気のせいかも知れませんが、そう言われてみると、カナレットの絵画の方がいくぶん左右の幅をグッとすぼめたようにも感じられます…うーん

 

 

本物のヴェネツィアも美しい街ですが、カナレットの風景画は、実物よりも美しい、カナレットが心の中で思い描いた理想的なヴェネツィアの姿を表現しているのかも知れません。

 

 

これは写真では残すことのできない美しさですので、見逃せませんね!!

 

 

 

ちなみに今回ご紹介した絵は、先日リストランテ・ディ・カナレットの東京ディズニーシー20周年スペシャルコースをいただいた時の席で観たものです。

 

スペシャルコースの食事内容もとても良かったので、気になる方はコチラの記事も参考にしていただけると嬉しいですほっこり