皆さんこんにちはニコ

 

 

東京ディズニーシーのアメリカンウォーターフロント、ニューヨークエリアにあるこちらのポスターが気になるので、今日はこれについて書きたいと思います爆  笑

 

 

 

 

"AGENTS WANTED TO HANDLE COL. ROOSEVELT'S GREAT BOOK."

 

 

ルーズヴェルト大佐」(Col. Roosevelt)の「偉大な本」を売りさばくセールスマン(agents)を募集しているようです。

 

 

肖像でお分かりの方もいらっしゃるでしょうが、「ルーズヴェルト大佐」というのは、アメリカ合衆国第26代大統領のセオドア・ルーズヴェルトのことです。

 

 

東京ディズニーシーでは、彼の名前に因んで名付けられた、S. S. コロンビア号の船内の「テディ・ルーズベルト・ラウンジ」でお馴染みの方も多いのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

彼自身は、慣れ慣れしく「テディ」という愛称で呼ばれるのを嫌っていたそうですが、大統領になる前に軍人としての輝かしい経歴を持っていたことから、「大佐」と呼ばれることを好んでいたそうです。

 

 

リンク先の過去記事では、テディ・ルーズヴェルト・ラウンジを取り上げ、彼の業績を紹介していますが、軍人の他にも、ニューヨーク州知事や探検家など、さまざまな顔を持っていた「ルーズヴェルト大佐」は、著作家としても有名です。

 

 

初めての著作『1812年の海戦』(The Naval War of 1812)が1882年に出版されると、たちまち彼は歴史家・戦史研究家としての名声を高めますが、他にも外交や国際政治から国立公園制度に至るまで、幅広い分野で20冊近くの著作を遺したそうです。

 

 

そこで疑問が湧くのは、

 

・ このポスターが言う「偉大な本」(Great Book)とは、セオドア・ルーズヴェルトの著作の中のどれを指しているのかはてなマーク

 

という点。

 

 

これを考えるには、アメリカンウォーターフロントのニューヨークエリアの時代設定が手がかりになるかも知れません。

 

 

このニューヨークエリアに停泊しているS. S. コロンビア号が処女航海に出航するのが1912年3月20日のこととされています。

 

 

したがって、このポスターは、1912年3月以降に出版されたセオドア・ルーズヴェルトの本の出版準備に際し、セールスマンを募集しているものだと考えられます。

 

 

そう考えて探してみると、セオドア・ルーズヴェルトが1913年に出版した本がありましたビックリマーク

 

 

 

 

ニューヨークのマクミラン出版社(Macmillan Company)が1913年に出版した『セオドア・ルーズヴェルト自伝』(Theodore Roosevelt: An Autobiographyです。

 

 

 

 

その内容は、

 

1. 幼少期から青年期(Boyhood and Youth)

 

2.  生命の躍動(The Vigor of Life)

 

3. 実践的政治(Practical Politics)

 

4. カウボーイの地にて(In Cowboy Land)

 

5. 理想主義の応用(Applied Idealism)

 

6. ニューヨーク市警(The New York Police)

 

7. アメリカの戦争:準備の不足(The War of America The Unready)

 

8. ニューヨーク州知事時代(The New York Governorship)

 

9. 屋外と室内(Outdoors and Indoors)

 

10. 大統領時代:古い政党から進歩主義への変革(The Presidency; Making an Old Party Progressive)

 

11. 国家の自然資源(The Natural Resources of the Nation)

 

12. 棍棒外交とスクウェア・ディール(The Big Stick and the Square Deal)

 

13. 社会及び産業の公正(Social and Industrial Justice)

 

14. モンロー主義とパナマ運河(The Monroe Doctorine and the Panama Canal)

 

15. 公正の下の平和(The Peace of Righteousness)

 

という15章から成っており、実に684ページに及ぶ大著となっていますびっくり

 

 

セオドア・ルーズヴェルトの人生の集大成とも言える内容、これこそ、「グレート・ブック」の名にふさわしい著作ではないでしょうか!?

 

 

さらに、このセオドア・ルーズヴェルトの本を売るセールスマンを募集するポスター、上の部分を読むと次のように書いてあります。

 

 

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AVAILABLE DIRECTLY FROM THE PUBLISHER.

SUBSTNTIAL DISCOUNTS OFFERED FOR LARGE ORDERS.

OVERSEAS AND SOUTH AMERICAN DISTRIBUTORS WELCOME.

INTERESTED PARTIES SHOULD CONTACT OUR OFFICE IN PERSON.

1947 BROADWAY, MANHATTAN

 

(和訳)

出版社から直接仕入れ可能

大口発注には大幅な割引あり

海外及び南アメリカの販売者歓迎

興味のある方は直接弊社の事務所にお越し下さい

マンハッタン ブロードウェイ1947番地

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どうもこの本は、ブロードウェイにある事務所に問合せをすれば、出版社から仕入れることができるようです。

 

 

一方、『セオドア・ルーズベルト自伝』を出版した実在のマクミラン出版社もマンハッタンのブロードウェイに事務所を構える会社なんですビックリマーク

 

 

…と言っても、番地はブロードウェイ120番地なので、広告とは違いますし、120番地のオフィスも2019年に移転したばかり。

 

 

それ以前は1902年竣工の5番街のフラットアイアンビルディング(Flatiron Building)ほか、マンハッタンの街中にいくつか事務所を構えていたそうです。

 

 

いずれにしても、セオドア・ルーズヴェルトの本を出版したマンハッタンの出版社として、マクミラン出版社を想定するのは、あながち間違いではなさそうです。

 

 

 

このように、1913年という出版年と、ブロードウェイに事務所を構える出版社、双方の情報から判断して、この『セオドア・ルーズベルト自伝』こそが、「ルーズベルト大佐」の「偉大な本」であると考えて良いのではないでしょうか。

 

 

 

この本、かなり読みたくなってきたのですが、なにせ700ページ近くもあるので、通読にはとても時間が掛かりそうですあせる