皆さんこんにちは
今日はディズニーランドパリのオーロラ姫のお城の裏にある写真スポットをご紹介します。
このように、石に突き刺さった剣のモニュメントがあるのをご存じでしょうか
剣の下には、フランス語で書かれた次のような碑文があります。
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EXCALIBUR
CELUI QUI
PARVIENDRA A RETIERER
L'EPEE ENFONCEE
DANS LA PIERRE
SERA PROCLAME ROY
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まず、この剣は「エクスカリバー」(Excalibur)であることが分かります。
下に書いてあるのは、
「この石に突き刺さった剣を抜くことができる者は、王となる宣告を受けるであろう」
…そうです
この剣は中世ヨーロッパに伝わる騎士道物語「アーサー王伝説」に登場する、聖剣エクスカリバーなんですね
世紀の転換点のアメリカの街並み、メインストリートUSAを抜けて、オーロラ姫の城をくぐり抜け、ファンタジーランドに一歩足を踏み入れた瞬間に、中世ヨーロッパのおとぎ話の世界にワープ…この時空を遥かに超える感覚、夢があって良いですね
さて、中世後期に完成したとされる「アーサー王伝説」には色々なバージョンがあるのですが、元々は、5世紀末にサクソン人を撃退したとされ、ブリトン人(ウェールズ人)の間で伝説として語り継がれてきたアーサー王の物語とされています。
つまり、アーサー王伝説は、13~15世紀頃の目線で描かれた5世紀末~6世紀初頭のイギリスのお話。
では、物語が作られた当時のイギリスはどうだったのかというと、13世紀は『ロビン・フッド』の時代です。
アーサー王の物語は、侵略者としてのサクソン人を撃退した王の話ですが、ロビン・フッドは、その後11世紀に侵略者としてイギリスを征服したノルマン人の圧政に抵抗するサクソン人のお話ですね。
こうしたファンタジーの歴史を振り返るだけでも、イギリスの歴史は異民族の侵略の歴史であったことがよく分かります。
本題に戻りましょう。先に述べた通り、アーサー王伝説は色々なバージョンがあるのですが、大まかに言うと以下の4つの部分に分けることができます。
1. アーサーの誕生と即位
2. アーサー王の宮廷に集う円卓の騎士達の冒険
3. 円卓の騎士による、最後の晩餐で使われた聖杯の探索
4. 円卓の騎士の一人ランスロットとアーサー王の妻グィネヴィアの不義に端を発する内乱とアーサー王の死
このうち、第1部のアーサー王の即位までを描いたディズニーの長編アニメ映画が『王様の剣』(The Sword in the Stone、1963年)です。
ウォルト・ディズニーが亡くなったのが1966年。
ディズニー社が『王様の剣』に続いて長編アニメ映画を公開したのは、1967年の『ジャングル・ブック』ですから、『王様の剣』は、ウォルト・ディズニー自身が公開を見届けた最後の長編アニメ作品ということになります。
エクター卿の下働きをするちっぽけな少年ワートが、未来の王であると予言され、魔法使いマーリンの修行を受け、成長していく物語です。
養父役のエクターとその息子ケイが、面倒な仕事はワートに押し付けたり、罰を与えたりして、何かとワートを抑圧する所や、ちょっとひょうきんな魔法使いマーリンがワートを助け、最後にはワートが王となる展開は、『シンデレラ』に似ています。
ちなみに「エクスカリバー」については、元々は「石に刺さった剣」とは別に、湖の乙女が授ける魔法の剣が「エクスカリバー」と呼ばれていたようです。
ところが、『アーサー王の死』の作者である15世紀のイングランド人トマス・マロリーが、「石に刺さった剣」と「湖の乙女が授ける魔法の剣」を両方とも「エクスカリバー」と名付けてしまったことで、混乱が生じたとのこと。
…実は聖剣エクスカリバーは2本あった
「エクスカリバー」と言えば、RPGの名作『ファイナルファンタジー』でも最強の剣として登場しますが、同時に、
・ ニセモノの エクスカリパー
という剣も登場します。
2本のうち1本はニセモノだったりして…
しかし、このオーロラ姫のお城の裏にある剣、"EXCALIBUR"と書いてありますから、正真正銘のエクスカリバーのはずです
皆さんも、ディズニーランドパリを訪れた際には、エクスカリバーの柄を握りしめ、アーサー王のようにカッコイイ写真を撮ってくださいね