いつも遊びに来てくださってありがとうございますニコ

 

 

以前、ディズニーランドパリのグッズで、ミニーの耳がストロベリードーナツになったカチューシャについて書きました。


 

パークのエントランスからオーロラ姫の城に向かって伸びるメインストリートUSAにあるお菓子屋さんで買えますよ音譜 とご紹介したところですので、今日は、そのお菓子屋さんについてもレポートしたいと思いますビックリマーク

 

 

さて、そのお菓子屋さん、名前を「ボードウォーク・キャンディ・パレス」(Boardwalk Candy Palace)と言います。

 

 

 

 

「ボードウォーク」って皆さん聞いたことありますかはてなマーク

 

 

板張りの遊歩道のことなんですが、19世紀後半のアメリカ東海岸、ニュージャージーやニューヨークでは、次の写真のように、海岸沿いに板張りの遊歩道を整備し、そこにレジャー施設を造るのが一大ブームとなったそうです。

 

 

※資料写真はパブリックドメインに属する画像検索サイトFree-Images.comで検索した物を使っています。

 

こちらは、ニューヨークはブルックリンの西南部にあるコニーアイランドの当時の様子です。

 

 

1枚目のお店の写真をもう一度ご覧いただくと、エントランスのテントの上に、海辺を連想させる、貝殻を模した装飾が施されていますよね。

 

 

なんでも、19世紀後半のアメリカでは、海辺のリゾートを代表するボードウォークを訪れ、キャンディやクッキーなどのお菓子をお土産に買うのが大人気だったのだとか。

 

 

このボードウォーク・キャンディ・パレスは、そんな海辺のリゾート地にあるお土産屋さんをイメージしたお店だったんですねビックリマーク

 

 

そして、もう一度最初の写真、今度は建物の屋根の部分に注目していただきたいのですが。

 

「1888 TILYOU BLDG」

 

と書かれてあります。1888年に建てられた、ティルユー・ビルディングという建物のようです。

 

 

このティルユー・ビルディングという名前、実は、コニーアイランドの開発を手掛けた実業家、ジョージ・ティルユー(George C. Tilyou, 1862-1914)にちなんで名付けられているんだと思います。

 

 

このジョージ・ティルユーという人、子供の頃から商魂が逞しかったようで、

 

・ 海を見たことないお客は、海辺のリゾートでしか買えない物は何でも喜んで買うはずビックリマーク

 

という発想で、

 

・ 海水やビーチの砂を瓶に詰めては、「本物の海水」「本物のビーチの砂」とラベルを貼って、お土産として売っていた

 

んだそうですびっくり

 

 

そんな彼は長じるや否や、瞬く間に実業家としての才能を発揮し、カーニバル・ストリートを造ったり、観覧車を設置したり、ショーハウスを建てたりして、コニーアイランドで最も成功したビジネスマンへとのし上がって行きます。

 

 

1897年に彼は、自身が所有するコニーアイランドのレジャー施設を、スティープルチェイス・パーク(Steeplechase Park)として開業します。

 

 

 

 

いわば、アメリカにおける遊園地のパイオニア的存在ですねビックリマーク

 

 

ボードウォーク・キャンディ・パレスが建てられたのが1888年という設定ですから、このスティープルチェイス・パークができる9年前、ジョージ・ティルユーが26歳の頃です。

 

 

きっと、彼が血気盛んで野心的な若き実業家の頃に建てたビルなんでしょう!!

 

 

そして、このボードウォーク・キャンディ・パレスが、古き良きアメリカの遊園地の雰囲気を体現するのは、外観だけではありません。

 

 

店内の壁に描かれたフレスコ画にも注目です。

 

 

 

 

こちらは、ニュージャージー州の観光都市、アトランティック・シティ(Atlantic City)の1892年の様子を描いています。

 

 

手前に建ち並ぶお店の前に面してボードウォークが敷かれ、その向こうにはビーチと空に浮かぶ気球、両サイドに描かれた埠頭には、観覧車の姿も見えます。

 

 

ちなみにアトランティック・シティと言えば、1930年代に誕生したボードゲーム、「モノポリー」の舞台でもあります。最後のマスにある一番高い土地、「ボードウォーク」ですよねウインク

 

 

フレスコ画の左下には、「二重ループのコースター」("Double Dare Loop Coaster")が目玉アトラクションとして描かれていますが、これは空想の産物ではありませんビックリマーク

 

 

当時のアトランティック・シティやコニーアイランドには、「ループ・ザ・ループ」(loop the loop)と呼ばれる、二重ループのコースターが実在していたというから驚きですよねおーっ!

 

 

こちらがその「ループ・ザ・ループ」の証拠写真。

 

 

 

 

東京ディズニーシーのレイジング・スピリッツ、はたまたディズニーランドパリのインディ・ジョーンズのアトラクションの遠い遠いご先祖と言っても良いかも知れません。

 

 

そして、何と言っても注目すべきはフレスコ画の右側

 

 

この二重ループのコースターと並んで、ボードウォークの二大看板として描かれているのは、

 

・ JAMES' SALT WATER TAFFYジェームスのソルトウォーター・タフィー

 

です。タフィ―というのは、砂糖とバターを熱して作るキャラメル状の柔らかいお菓子ですね。

 

 

このことからも、世紀の転換点におけるアメリカの海辺のリゾート地でのキャンディなどのお菓子のお土産としてのステータスの高さが窺えるのではないでしょうかビックリマーク

 

 

ボードウォーク・キャンディ・パレスの店内には、フレスコ画の前に並べられたポップコーンやキャンディのほか、このようなショーケースの中に、生菓子も売られています。

 

 

 

 

こちらでは、真ん中の棚に、タフィ―ではなく、砂糖とバターに牛乳を加え、より低温で練り上げられるファッジ(fudge)が置かれてあります。

 

 

フレーバーは何種類かあるのですが、僕のおススメは、バナナチョコレート。

 

 

 

 

お味については、説明しなくてもだいたい想像いただけるのではないかと思いますが、バナナとチョコって、何でこんなに相性が良いのでしょーかッ!?

 

 

いかがでしたかはてなマーク

 

 

ビルの名前や装飾、店内の派手なフレスコ画。全てがスイーツ・ショップのテーマをプロデュースするための演出だったなんて、素敵ですよねキラキラ

 

 

メインストリートUSAでお買い物をする際には、一つ一つの店舗に散りばめられた、世紀の転換点のムードを存分に味わってくださいねビックリマーク