皆さんはディズニーランド・ディズニーシーではアトラクションを目一杯楽しむ派でしょうか?

 

僕はショーも好きなんですが、その中でもディズニーシーの「ビッグバンドビート」がお気に入りなので、今日はそれについて書きます。

 

 

「ビッグバンドビート」は、ジャズバンドドラムギターによるライブパフォーマンスカラオケです。

 

ビッグバンドというのは、ジャズバンドの類型の一つで、トランペット、トロンボーン、サックス、リズムの4つのセクションに3~5人の演奏者を配した、総勢10人超の楽団を指します。

 

「ビッグバンドビート」で演奏を行う、ビッグバンドビート・ジャズオーケストラの編成は、トランペット3名、トロンボーン3名、サックス4名、リズムセクションがピアノ、ベース、ドラムスに各1名の13名となっています。

 

ただし!

 

ショーの終盤で、伝説の凄腕パフォーマーが登場し、ドラムスがツインになるので要チェックメモ

 

 

さてこのビッグバンド、ジャズ喫茶文化で育った日本のジャズファンにはあまりウケない、と言われているようで、その理由として、アンサンブル中心でソロ演奏が少ない点が物足りないから、ということが挙げられています。

 

しかーーーーーし!!

 

ビッグバンドのような大楽団のサウンドの迫力は、レコード・CDやバーではなく、シアターでこそ真価を発揮するもの。そして、ディズニーシーは、ビッグバンドの迫力を最大限に引き出す舞台として「ブロードウェイ・ミュージックシアター」を用意しているんです爆  笑

 

このシアターがまた良い雰囲気で、ニューヨークのブロードウェイにある、改装前のニューアムステルダム劇場をモチーフにしてるらしいですね(左:ブロードウェイ・ミュージックシアター、右:ニューアムステルダム劇場)。

 

  

 

劇場のあるアメリカン・ウォーターフロントのニューヨーク・エリアの街並みにもマッチしてますよねキラキラ

 

 

そのニューヨーク・エリアは、20世紀初頭のニューヨークを再現したエリアなんですが、ビッグバンドの黄金時代は、それよりも少し後の時代になります。実際に、「ビッグバンドビート」の演目を見てみると…

  1. It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing) は1931年デューク・エリントン作曲
  2. Night and Day は1932年のコール・ポーター作詞作曲
  3. Take the 'A' Train は1941年にデューク・エリントン楽団の演奏でレコード発売
  4. Stompin' at the Savoy は1934年のエドガー・サンプソンの作曲
  5. Jumpin' Jive は1939年のミリオン・ヒット

…というように、1930年代から40年代初頭にかけての曲が並んでいます。ショーの中でMCが紹介していますが、ビッグバンドは1920年代にニューヨークに拠点を移した数多くの著名なミュージシャンが中心となって生み出し、1930年代から40年代に黄金時代を迎えたスタイルなのです。

 

 

ところで、世界史の授業で習いますが、1930年代のアメリカと言えば、1929年のウォール街の株式市場の大暴落に始まる、長い恐慌の時代の最中です。株価は80%暴落、工業生産は3分の1に低下し、4人に1人が失業状態という経済の苦境の中で、黄金時代を迎えるとはこれ如何に…!?

 

一つの前向きな説明としては、大恐慌の絶望の中で、自然と身体が躍り出してしまうような陽気な音楽に人々が一筋の光明を見出し、人気を博した、ということが言えると思います(例えば、ドラマーの神保彰さんによる解説)。

 

これに対し、大恐慌そのものがビッグバンド隆盛の触媒となった、という見方もあります。どういうことかというと、経済状況が劇的に悪化した結果、ミュージシャンたちの賃金も大幅に下がったため、大人数のバンドを編成しやすくなった、というわけです(出典:encyclopedia.com)。

 

これはどちらもあると思います。一流の演奏者を10人以上も集めるのってお金かかりますし、経済状況の悪化が後押しとなった、というのは本当でしょう。けれど、楽団を編成することが簡単になったとしても、肝心の演奏が聴衆の心を捉えなければ、流行になったりしないはずです。観客だって恐慌に苦しんでいる時代ですしね。

 

経済の逆境をはねのけて、新しいブームを作り出してしまうところに、ニューヨークのエンターテイメントの底力を見る気がしますビックリマーク

 

 

この黄金時代のビッグバンドは、歌やダンスのバックミュージックを演奏する「ダンス・バンド」としても名高いバンドが多いですが、「ビッグバンドビート」も往年の本場ニューヨークのショーと同様、歌ありタップダンスあり、観ているだけで元気が出る内容になっています。

 

皆さんもビッグバンド黄金時代のニューヨーカーさながらに、迫力のパフォーマンスを楽しんで、日々のストレスを吹き飛ばしましょう~!!

 

【公式HPによるビッグバンドビートの紹介動画】