60 新約18 種蒔く人のたとえ Parable of the Sower

 

イエスはたとえで多くのことを教えて、言われた。「聞きなさい。見よ、種を蒔く人が種蒔きに出て行った。」(マルコ4:2-3

 

And Jesus taught them many things in parables, saying "Listen! Behold, a sower went out to sow.  (Mar 4:2-3)

 

 イエスの言葉で最も個性的で、印象深いものはたとえ話でした。多くの群衆がイエスの言葉を聞こうと、ガリラヤ湖岸に押し寄せたとき、イエスは湖に浮かぶ舟から湖岸にいる群衆に、種蒔きのたとえを話しました(マルコ43-9、マタイ133-9、ルカ85-8)。

 

「ある人が種を蒔きに出て行きました。その人が種を投げると、ある種は道に落ちて、鳥が飛んできて、その種を食べてしまいました。また、ある種は石の多いところに落ちました。芽は出ましたが、土が少ないので、根が張らず、水気がないので、枯れてしまいました。ある種は茨の中に落ちました。芽は出て、枯れはしませんでしたが、茨が伸びて、養分を取られて、実を結ぶことはありませんでした。他の種は良い地に落ちたので、芽生え、育ち、あるものは30倍、あるものは60倍、あるものは100倍もの実を結びました。」

 

 群衆が解散して、家路に着き、イエスと弟子たちだけになったとき、弟子たちはイエスに質問しました。

「先生、さっきのたとえ話の意味を教えてください。農業の話としては分かりますが、どうしてあの話が神の国(救い)のことなのでしょうか?」

 

すると、イエスは答えました。

「種蒔きとは神の言葉を伝えることです。そして、種が蒔かれるところは、神の言葉を聞く人々の心とその人たちの態度です。道端は神の言葉を聞き流す人々で、その人々の心には少しも神の言葉が残りません。石の多いところは、御言葉を喜んで聞きますが、困難があると、つまずく人々です。茨は神の言葉よりも自分の都合や欲望を優先する人々で、実を結ぶことはありません。良い地は、御言葉を聞いて受けとめて実行する人々で、自分が祝福されるだけでなく、多くの人々に祝福をもたらします。あなたがたは、御言葉を受け入れる人々になりなさい。」

 



 フィンセント・ファン・ゴッホ「種蒔く人」1888年 油彩・画布 64 x 81 cmクレーラー・ミューラー美術館 オッテルロー GOGH, Vincent van The Sower 1888 Oil on canvas, 64 x 81 cm Rijksmuseum Kröller-Müller, Otterlo

 
ゴッホはミレーの絵をモデルに自分なりの色彩を施して描きました。



 ミレー「種蒔く人」
1850油彩・画布101.6 x 82.6 cm ボストン美術館