35章 真実薬 Veritaserum

 

 ハリーは再びホグワーツにたどり着き、セドリックの遺体の手をつかんで地に倒れています。人々が洪水のように押し寄せてきます。ダンブルドアがハリーを動かすなと指示したにもかかわらず、マッドアイ・ムーディはハリーを担いで自分の部屋に連れて行きました。

 

ヴォルデモートが復活したと告げるハリーをムーディは狂喜の目で見ています。信じられないというハリーの表情に気も止めず、ムーディはすべて仕組んだのは自分であり、自分だけがヴォルデモートの忠実な支持者だと言い出すのでした。すべて聞き出し、言いたいことを言い終わったムーディはハリーに手をかけようとしますが、その時ダンブルドアが現れ、ムーディを吹き飛ばしました。気を失った男の姿がしばらくすると、見る見る変わっていきました。何とバーティ・クラウチ・ジュニアではありませんか。本物のアラスター・ムーディはトランクの中で仮死状態になっています。

 

ダンブルドアは自白剤の真実薬(ベリタセラム)でバーティからすべてを聞き出しました。父クラウチ氏はポリジュース薬を使って息子バーティと妻とを取替え、服従の呪文で息子をずっと保護していたのでした。しかし、その魔法を破った息子はヴォルデモートと謀り、ムーディを襲って入れ替わり、ホグワーツに来たのでした。しかも、今度は逆に父クラウチを服従の呪文で洗脳し、術を破って逃亡した自らの父親を殺害したのでした。

 

 

36章 決別   The Parting of the Ways

 

 ダンブルドアはハリーを自分の部屋に連れて行きました。今日起こった出来事をハリーから聞き、即座に適切な判断を下し、行動するためです。部屋にはシリウスもいました。ハリーはその夜の光景をすべて語りました。ヴォルデモートの復活、セドリックの殺害、デス・イーターの登場。二つの杖の連動とヴォルデモートによる犠牲者たちの木霊の登場などです。ハリーが短剣で刺され、その血が用いられたことを聞いたとき、ダンブルドアの目に勝利の輝きのようなものが光りました。ダンブルドアは知るべきすべてを聞き終えました。ハリーはヴォルデモートと戦って殉死した、優れた魔法使いたちと変わらぬ勇気を示し、大人と変わらぬ重荷を負ったのです。

 

 魔法省大臣のコーネリウス・ファッジはマクゴナガルたちの制止も聞かずにディメンターを同伴させ、その結果、ディメンターはバーティ・クラウチにキスを施し、廃人にしました。ダンブルドアがヴォルデモートは復活したと言ってもファッジは信じません。急いでディメンターをアズカバンから解雇し、巨人と和解しなければ、再びヴォルデモートの支配下に戻るとダンブルドアが言ってもファッジは一向に相手にしません。ダンブルドアはファッジと袂を分かち、決別する時が来たことを悟りました。ファッジもダンブルドアに不信感を示して、三大魔法学校対抗試合の賞金の1000ガリオンを置いて出て行ってしまいました。ダンブルドアは心ある者たちに真実を告げ、結束して警戒態勢を取るようにと指示しました。

 



オックスフォード、クライストチャーチ・カレッジ: 入り口の建物を中庭から見たところ。



 右側が映画のロケで使用された大広間のある建物。左側はチャペル。