48 新約6 神殿での奉献 Presentation in the Temple

 シメオンが神に導かれて神殿の境内に入って来たとき、両親は、幼子のために律法の規定のいけにえを献げようとして、イエスを連れて来た。(ルカ2:27

 

Led by the Spirit, Simeon went into the Temple. And the parents brought the child Jesus into the Temple to do for him according to the custom of the law. (Luk 2:27)

 

ユダヤ教の習慣に従って赤ん坊は生まれて8日目に割礼を受け、天使に示されたようにイエス(ヤーウェは救い)と名付けられました。出産後の清めの33日の期間が過ぎたとき、ヨセフとマリアは赤ん坊を連れてエルサレムの神殿(お宮参り)に行きました。献げ物は小羊が必要でしたが、貧しい人は鳩で代用でき、二人は鳩を献げました。

 

 すると、そこにシメオンという信仰深い老人が現れ、大喜びでイエスを抱いて祝福して言いました。

「今こそ、わたしは安らかに去ることができます。

この目でメシアを見たからです。

この方は万民の救い主で、世界を照らす光です。」

 

彼は、メシアに会うまでは死なないとのお告げを受けていました。また、アンナという84才の女預言者も現れ、神を賛美して、イエスのことについて救いを望む人々に話をしました。

 

 

ユダヤ人の男子は、生まれて8日目に割礼をして名付けられます。割礼とは旧約聖書のアブラハムにまでさかのぼる、男性器の包皮を切る儀式で、契約のしるしとして代々行われてきました。その後、男児は生まれて33日目以降に神殿で奉献をしました。これは、子供を神に献げて神からの祝福とこれからの子供の元気な成長を願うものです。女児の場合は、66日目以降に行われます。また、男子は、13才になると「律法の子」(バルミツワー)と呼ばれる成人式をします。これが済むと男子は宗教的には成人と見なされ、その責任を負いますが、実際に社会的に成人と見なされるのは30才からでした。

 



 シャンパーニュ「神殿での奉献」1648年 油彩・画布 257 x 197 cm ブリュッセル王立美術館 CHAMPAIGNE, Philippe de The Presentation of the Temple 1648 Oil on canvas, 257 x 197 cm Musées Royaux des Beaux-Arts, Brussels



 レンブラント「神殿のシメオン」1669年 油彩・画布 98 x 79 cm ストックホルム国立美術館 REMBRANDT Harmenszoon van Rijn Simeon with the Infant Jesus in the Temple 1669 Oil on canvas, 98 x 79 cm Nationalmuseum, Stockholm



カラッチ「神殿での奉献」 CARRACCI, Lodovico Presentation in the Temple c. 1605 Oil on canvas, 122 x 92 cm Museo Thyssen-Bornemisza, Madrid