36 旧約36 希望の幻を見たエゼキエル  Ezekiel and Vision of Hope

 

わたしはあなたがたに新しい心を与え、あなたがたの中に新しい霊を置く。わたしはあなたがたから冷たい石の心を取り除き、血の通う暖かい心を与える。(エゼキエル36:26

 

And I will give you a new heart and put a new spirit into you: I will remove the cold heart of stone from you and give you a warm heart of flesh; (Eze 36:26)

 

 バビロン捕囚の地、ケバル川の畔で、エゼキエルは不思議な幻を見ました。激しい風が大きな雲を巻き起こし、金色に輝く火の中に翼を持ち、人間の顔と、ライオンの顔と、牛の顔と、鷲の顔を持つ4つの生き物がいました。その遥か頭上から、神が言いました。

「エゼキエルよ、

わたしはあなたをイスラエルの人々の

見張り人として、彼らに遣わします。

わたしの言うことを「しるし」として行い、

その意味を彼らに告げなさい。」

 

そのため、エゼキエルは、とても奇妙で嫌なことだけでなく、家族の不幸も経験しなければなりませんでした。例えば、牛糞で焼いたパンを食べたり、自分の髪の毛とひげを全部そって焼いたり(敬虔なユダヤ人はひげをそりません)、突然自分の妻が死んでも声を出して泣いてはならないのでした。それは、バビロンでの捕囚の苦しみを耐え忍び、悔い改めて、神を信じて従うならば、再び、神がイスラエルの人々を憐れんで、捕囚から解放して、エルサレムに帰還させるというメッセージでした。

 

 また、エゼキエルは、こんな幻も見ました。干からびた骨だらけの谷底で、エゼキエルは神に命じられて預言すると、骨がカタカタと音を立てて集まり、その上に筋と肉と皮膚が生じ、人体になりました。さらに預言すると、その人体に命が宿り、非常に多くの人々になりました。これは、絶望しきって、滅びるだけだと思っている、イスラエルの人々に対して、神がイスラエルの国民を復活させて、回復されるというメッセージでした。


 

 ラファエロ「エゼキエルの幻」1518年 油彩・板40 x 30 cm ピッティ美術館 フィレンツェ RAFFAELLO Sanzio The Vision of Ezekiel 1518 Oil on wood, 40 x 30 cm Galleria Palatina (Palazzo Pitti), Florence


 

フランシスコ・コランテス「エゼキエルの幻」1630年 油彩・画布 177 x 205 cm プラド美術館 マドリード COLLANTES, Francisco The Vision of Ezekiel 1630 Oil on canvas, 177 x 205 cm Museo del Prado, Madrid


 

 

ウフィツィから見たベッキオ橋とヴァザーリの回廊

 

フィレンツェの名所はいろいろありますが、一番人気はウフィツィ美術館でしょう。夏休みに予約なしで行くと3時間以上待たされます。ボッティチェリの「ビーナスの誕生」、「春(Primavera)」などが有名です。ウフィツィはもともと市庁舎で、メディチ家の職場、事務所でした。また、ピッティ美術館はメディチ家の居城でした。メディチ家は建築家であり、画家であるヴァザーリに命じてこの二つを歩いて渡れる回廊を作らせました。2階建ての渡り廊下のようなものです。現在、ベッキオ橋の1階は有名宝石店です。その2階のヴァザーリの回廊は肖像画美術館になっていますが、旅行会社が管理しているため、チケットは高額です。50から100ユーロ。ダン・ブラウンの小説『インフェルノ』もこのヴァザーリの回廊を舞台にしています。