3章 先発護衛隊 The Advance Guard

 

 白ふくろうのヘドウィグを使いに出しましたが、全く戻って来る気配はありません。ダーズリー家の2階の自室でハリーの本格的な引きこもり生活が始まりました。トイレに行く以外は部屋から一切出ないで、食事は3年前に作られた猫のくぐり戸から小言と共に支給されます。かつての階段下の物置に比べれば天国ですが、頭と心が沸騰しているハリーは部屋をイライラしてうろついているか、無気力に襲われてベッドにもぐっているかでした。引きこもり4日目の夜、ダーズリー一家は着飾ってハリーを置いて車で出て行きました。バーノン自慢の芝生の表彰式があるとかで、、、 ガチャン!しばらくして下のキッチンで何かが壊れる音がしました。泥棒だ!ハリーは杖を取って急いで階段の踊り場に出ました。下のホールの暗がりの中に数人はいる。

 「杖を下ろすんだ、小僧。」 「ムーディ先生,,,?」

 どうやら、ハリーを迎えるために魔法使いたちが大挙してやって来たようです。その中にはリーマス・ルーピンもいます。初対面の魔女のトンクスはハリーの荷造りを手伝いました。

 「パック!(つめろ)」、「スコージファイ!(除去しろ)」、「ロコモーター・トランク!(トランク、動け)」

 変身の特殊能力があるトンクスは髪の毛の色を変えながら呪文を唱えましが、ハリーの箒のファイアボルトを見つけて目を輝かせました。ファイアボルトは高級スーパー・バイクのような極上スポーツモデルだからです。

 それから一同はムーディ指示の下、箒で夜空を猛スピードで疾走しました。ハリーの憂鬱な日常は星空の彼方に吹き飛び、冷気と風圧でハリーの目は潤みました。こうして彼らは新しい騎士団の隠れ家に向かったのでした。