英語版「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」の第4章「Back to The Burrow(再び「隠れ穴」へ」を読みました。

 

 ウィーズリー家がハリーを迎えに来る日。

 

 ダーズリー家には緊張が走ります。

 

 バーノンおじさんは一張羅の背広を着て出迎えの準備をしますが(もちろん歓迎の意味ではなく威嚇のため)、約束の夕方5時になってもなかなか迎えが来ないのでハリーも不安になりはじめます。

 

 奴らは車で来るのかと尋ねるバーノンおじさんに曖昧に答えるハリーですが、中古のフォード・アングリアは禁じられた森の中にいるし、ハリーにもみんなの移動手段が想像できません。

 

 そんな中、約束の時刻を30分ほど過ぎた頃に居間から悲鳴が聞こえます。

 

 なんと、ウィーズリー御一行は煙突飛行ネットワークを使って移動し、暖炉に到着したのです!

 

 ですが困ったことに、ダーズリー家では電気式の暖炉を使用しているので暖炉が塞がれています。

 

 暖炉の奥から聞こえてくる声に、何が起こっているのかと怒り狂うバーノンおじさん。

 

 思わずハリーも吹き出しそうになります。

 

 身動きが取れなくなったウィーズリーのみんなは、やむなく暖炉を破壊して居間へと入ってきます。

 

 ハリーを迎えにきたのは、アーサー、フレッド、ジョージ、ロンの4人。

 

 暖炉を壊したことを詫びつつ、煙突飛行ネットワークについてあれこれ説明するアーサーですが、バーノンにはさっぱりです。

 

 この場面は、魔法界のことを何も知らないダーズリー家と、マグルの世界に疎いウィーズリー家の温度差というかちぐはぐな感じがとても滑稽に描かれていて大好きな場面です音譜

 

 ともあれ挨拶もそこそこにハリーを連れて隠れ穴に向かう準備をします。

 

 暖炉に火をつけ、子供達が先に出発するのですが、フレッドのポケットから美味しそうなお菓子がこぼれ落ちます。

 

 慌てて拾い、暖炉へと向かうフレッドにジョージ、ロンが続きます。

 

 そしていざハリーの番になり、ハリーが「Well...bye then(それじゃ・・・さよなら)」とダーズリー一家に挨拶しますが、一家は何も言いません。

 

 ハリーが炎に向かうと、アーサーがハリーを引き止めます。

 

そして一家にこう言い放ちます。

 

「Harry said goodbye to you,(ハリーがさよならと言ったんですよ。)」

「Didn't you hear him?(聞こえなかったんですか?)」

 

さらに、

 

「You aren't going to see your nephew 'till next summer,(来年の夏まで甥ごさんに会えないんですよ)」

 

「Surely you're going to say goodbye?(もちろん、さよならと言うのでしょうね)」

 

と畳みかけます。

 

 アーサーは杖を握っていたこともあり、さすがのバーノンも折れて渋々ながら挨拶をします。

 

 ここは、先ほどのウィーズリー家到着の場面の面白さとは対照的に少しシリアスで、アーサーの優しさ、愛情深さが垣間見える感動的なシーンです。

 

 英語版を読み始める前、日本語訳でこの場面を読んだときは思わず涙ぐんでしまいました。

 

 普段は温厚なアーサーが怒りをにじませる数少ない場面ですし、アーサーがハリーを息子同然に大切に思っていることもとてもよく伝わってきます。

 

 なんとか挨拶も済ませ、いよいよハリーが暖炉の中に入って振り返ると、ダドリーがゲエゲエ吐く音とペチュニアの悲鳴が聞こえます。

 

 見ると、ダドリーの口から30センチもある紫色のヌルヌルしたものが突き出しています。

 

 なんとそれはダドリーの舌が巨大化したもの!

 

 実は、フレッドが帰り際に落としていったお菓子に秘密があったのですキャンディー

 

 パニックに陥るダーズリー一家と、それをなだめるアーサー。

 

 ハリーはこの面白い展開を見逃したくないと思いつつ、アーサーに促されて隠れ穴へと急ぎます。

 

 ダーズリー家でハリーがこんなに楽しい気分でいられたのはこれが初めてではないでしょうか?

 

 ダーズリー一家にとってはとんだ災難ですが、日頃のハリーへの態度を見てると同情しきれないところが複雑ですあせる

 

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〜チェックした表現〜

 

1、celerry→セロリ

 ダーズリー家のダイエット食。セロリのスペルを初めて見ました。

 

2、panic-stricken→(人が)恐慌をきたした、あわてふためいた

 ウィーズリーおじさんたちが暖炉に到着した時のダーズリー一家の反応。

 

3、in a jiffy→今すぐに

 自らが壊した暖炉を見たアーサーの言葉。

 

4、sort...out/sort out...→(けんか・問題などを)かたづける、解決する

 フレッドが落としていったお菓子を食べて舌が巨大化したダドリーに対するアーサーの言葉。作中ではsort him out。

 

5、on balance→すべてを考慮して、結局

 ダドリーの騒動を見ていたいと思いつつ、アーサーに従って立ち去るハリーの心境。

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 次の第5章は、「Weasleys' Wizard Wheezes(ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ)」。

 

 暗く不吉な描写からはじまった第4巻ですが、いよいよ面白くなってきました!

 

 続きも楽しみですラブラブ