英語版「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の第14章「Snape's Grudge(スネイプの恨み)」を読みました。

 

 章のタイトルにスネイプ先生の名前が入っているので、嬉々として読み進めてまいりました!

 

 でも、スネイプ先生の登場前にも大切な場面があります。

 

 ハリーとロンがハグリッドの小屋に呼ばれて行くと、ハーマイオニーのことで話があるとのこと。

 

 ハーマイオニーはファイアボルトの件以来よくハグリッドの元を訪れ、しょっちゅう泣いていた上、たくさんの授業で忙しい中、バックビークの裁判のことも調べ続けていたと知らされます。

 

 バックビークのことをすっかり忘れていたハリーはハグリッドに謝りますが、ハグリッドはそのことでハリーたちを責めるつもりはありません。

 

 そうではなく、箒やネズミよりも友達のほうを大切にすると思ってたと、ハーマイオニーをないがしろにした2人の態度をたしなめます。

 

 ハグリッド、優しいだけでなく、言うべきこともきちんと言うところに人柄を感じさせます。

 

 これでハーマイオニーとも仲直りできるかと思いきや、週末のホグズミード行きのお知らせによってまたちょっと険悪なムードに。

 

 ハリーにホグズミード行きを促すロンに対し、ハーマイオニーが食ってかかります。

 

 もしもハリーがホグズミードに行くならマクゴナガル先生に言いつけると。

 

 つい先日、男子寮にブラックが侵入したとなればハーマイオニーが怒るのも当然です。

 

 ですがロンは怒り、迷ったハリーも透明マントを着て行くことにします。

 

 

 ホグズミード行きの日。

 

 みんながホグズミードに行った後、透明マントを携えたハリーが隻眼の魔女の像のところにいくと、罰則として居残りになっているネビルと遭遇します。

 

 ネビルに絡まれて困惑しているところに、スネイプ先生登場!

 

 2人、特にハリーのことを思い切り怪しみ、寮に戻るよう促します。

 

 どうにかネビルをやり過ごし、忍びの地図でスネイプ先生が研究室に戻ったことを確認したハリーは再び隻眼の魔女の元へ。

 

 透明マントをまとい、ホグズミードでロンと落ち合います。

 

 ゾンコの店で買い物をして叫びの屋敷近くにいると、マルフォイ一味がやってきます。

 

 一見すると1人でいるロンにいつもの嫌味を繰り出します。

 

 するとハリー、透明マントをかぶっているのをいいことにマルフォイに泥を投げつけます。

 

 当然ドラコたちにハリーの姿は見えませんから、何事が起きたのか分からず慌てふためきます。

 

 そんなゴタゴタの中、クラッブがハリーの透明マントを踏んでしまったために、ハリーの首だけが姿を現してしまいます。

 

 悲鳴を上げて逃げていくドラコたちを見て、ハリーは急いで城に戻ります。

 

 汗だくになって隻眼の魔女の像から出ると、出ましたスネイプ先生!!!

 

 ハリーはスネイプ先生の研究室へと連れていかれます。

 

 ここからがもう面白いのなんのって!

 

 スネイプ先生の一言一句、一挙手一投足にキュンキュンしてしまいますラブラブ

 

 ちなみにこの時、スネイプ先生がハリーの目を抉るように見るという描写があるのですが、おそらく開心術を使ったのだと思われます。

 

 怒鳴り散らすのでも優しく諭すのでもなく、ネチネチと嫌味ったらしいやり方がなんともスネイプ先生らしくて面白いのですが、特に印象的だった台詞があります。

 

「魔法大臣はじめ、誰もかれもが、有名人のハリー・ポッターをシリウス・ブラックから護ろうとしてきた。しかるに、有名なハリー・ポッターは自分自身が法律だとお考えのようだ。一般の輩は、ハリー・ポッターの安全のために勝手に心配すればよい!有名人ハリー・ポッターは好きなところへ出かけて、その結果どうなるかなぞ、おかまいなしというわけだ」

 

 これをハリーはスネイプ先生の挑発だと受け取り、その手に乗るもんかと開き直ろうとしますが、ここはスネイプ先生の言うとおりだと思います。

 

 私は基本的にハリポタシリーズをハリーの視点で読み、ハリーの言動にはおおむね寛容で常にハリーの味方、そしてハリーに甘いですが、シリウス・ブラック絡みの件では、マクゴナガル先生やハーマイオニー、スネイプ先生たちに軍配が上がります。

 

 実際、夏休みには魔法大臣自らハリーを出迎えたり、キングズ・クロス駅に向かうために魔法省が車を手配したりしていますしね。

 

 スネイプ先生の尋問に話を戻すと、ここでいきなりハリーの父の話が始まります。

 

 傲慢で威張りくさっていたと。

 

 あれやこれやと父親の悪口を言われたハリーは、ついスネイプ先生に向かって「黙れ!」と言ってしまいます。

 

 もう書き出したらキリがないくらい全てのやり取りがドキドキワクワクなのですが、ついにポケットをひっくり返すよう言われたハリーは忍びの地図を出すことになります。

 

 地図は白紙の状態ですが、明らかに何かあると疑うスネイプ先生が地図を杖で叩くこと数回、地図に文字が現れます。

 

 ですがそれは、ムーニーたち4人からスネイプ先生への侮辱の言葉です。

 

 お節介は控えろだの、ろくでもないいやなやつだの愚かしいだの、挙げ句の果てには薄汚いどろどろ頭を洗えとあせる

 

 スネイプ先生、暖炉を通じてルーピン先生を呼びつけます(フルーパウダーですね!)。

 

 暖炉から現れたルーピン先生とスネイプ先生の問答の末、ハリーはルーピン先生の機転(とロンの登場)のおかげで無事スネイプ先生の部屋を脱出します。

 

 ルーピン先生が地図のことを知っていたことに驚くハリーとロンですが、この時点ではまだそれ以上のことは分かりません。

 

 それよりも、両親が命懸けで守った命を粗末にするなんて、と言われたことに惨めな気持ちになるハリーです。

 

 ハリーにホグズミード行きを勧めたロンも罪悪感にさいなまれます。

 

 そんな2人が寮に戻るとハーマイオニーと遭遇し、バックビークが処刑されることになったと知らされます。

 

 ああ、先行き不安です・・・。

 

 

 

 今回もいくつかの表現をピックアップしました。

 

1、get cold feet→おじけづく、しりごみする

 ハリーの父に命を救われた時のことについてスネイプ先生が説明する場面で。

ジェームズたちがスネイプ先生に仕掛けた悪戯がスネイプ先生を死に至らしめるものであり、ジェームスが土壇場になって怖気付いたのだと。

 

2、childish→子供じみた、幼稚な

 忍びの地図について見解を求められたルーピン先生の言葉。

 

3、right on cue→タイミングよく、ちょうどその時

 ルーピン先生が、地図はゾンコの品ではないかと誤魔化そうとした際にロンが現れた時の説明。日本語訳では「合図を待っていたかのように」となっているのでルーピン先生がロンを連れて来たのかと思いましたが、英語版からはそこまで読み取れませんでした。

 

 面白くてどんどん読み進めたくて、今回もあまり多くはチェックできませんでした。

 

 次の第15章は「The Quidditch Final(クィディッチ優勝戦)」です。

 

 続きも楽しみたいと思います。