英語版「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の第12章「The Patronus(守護霊)」を読みました。

 

 新学期がスタートし、いよいよルーピン先生の対ディメンター訓練も始まります。

 

 本物のディメンターを連れて来るわけにはいかないので、ボガートを使っての訓練です。

 

 教わるのは「守護霊の呪文」。

 

 一人前の魔法使いでさえ手こずるほどの難しい呪文です。

 

 この呪文を成功させるには、一番幸せだった想い出を強く思い浮かべなければなりません。

 

 初めて箒に乗った瞬間のことを思い浮かべたハリーは、一条の銀色の煙のようなものを出すことに成功します。

 

 ですが、やはり難しい呪文なだけあって、訓練は思うように進みません。

 

 何度かボガート相手に挑戦するうち、ハリーはボガートディメンターの影響によってリリーの叫び声だけでなく、ジェームズの声を聞きます。

 

”Lily,take Harry and go! It's him! Go! Run! I'll hold him off-”

 

 ジェームズがリリーに向かって、ハリーを連れて逃げるように叫ぶ声です。

 

 初めて聞く父親の声に思わず涙を流すハリー。

 

 父の声を聞いたことをルーピン先生に話すと、

 

"You heard James?"

 

との答えが。

 

 そこで初めてハリーは、ルーピン先生とジェームズが友人だったことを知ります。

 

 ハリーがジェームズの声を聞いたことにショックを受けたルーピン先生はこの日の訓練を終わらせようとしますが、続けると食い下がるハリー。

 

 今度は、初めて自分が魔法使いだと知り、ダーズリー家を離れてホグワーツに行くと分かったときの想い出に全神経を集中させます。

 

 そしてついに、守護霊を出すことに成功します。

 

 まだもやもやした銀色の影の状態ではあるものの、ディメンターとの間に漂うほどの強さです。

 

 ハリーの限界が近づいた頃、ルーピン先生がボガートディメンターを消してこの日の訓練は終了です。

 

 ハリー、よくやってのけましたね!

 

 それからルーピン先生の素晴らしい指導力!

 

 説明の仕方や褒め方など、すべてが教師の鑑です。

 

 まだ先の話ですが、同じ個人授業でもスネイプ先生の閉心術の訓練とは大違い(笑)

 

 ともかく、これで万が一クィディッチの試合にディメンターが現れたとしても、上空から落下する危険は無くなったと言えます。

 

 クィディッチといえば、呪文外しのために没収されていたファイアボルトがようやく帰って来ました。

 

 もちろん異常はなし。

 

 箒を返す時にマクゴナガル先生が、絶対試合に勝つようにハリーを鼓舞するのですが、その時に思いがけずスネイプ先生の名前が出てきました。

 

 今回勝たなければグリフィンドールは8年連続で優勝戦から脱落するということを、

 

「つい昨夜、スネイプ先生が、ご親切にもそのことを思い出させてくださいましたしね・・・・・・」

 

ですって!

 

 何が嬉しいって、スネイプ先生が同僚の先生方とそういう世間話っぽいことを話しているという事実が嬉しいですラブラブ

 

 スネイプ先生って、特にハリー視点の描写からだと、いつも自分の研究室にこもって他の先生方とはほとんどコミュニケーションを取らなさそうなイメージがあります。

 

 なので、皮肉混じりであろうと、ちゃんと同僚とおしゃべりすることもあるのだと思うとなんだか嬉しくなりました。

 

 ところで、章のラストに事件が発生します。

 

 ロンのペットのスキャバーズがいなくなりました。

 

 ロンのベッドのシーツには血のような赤いシミがついており、近くにはオレンジ色の猫の毛が数本・・・。

 

 ロンとハーマイオニーの仲はまだ戻りそうにありません。

 

 

 

 さて、今回も単語や表現をピックアップしました。

 

1、all in all→要するに

 

2、I'm working on it→(日本語訳)僕、対策を考えてるよ

 

 次の試合でディメンターが現れたらと心配するウッドにハリーが言う台詞。

 いろんな場面で使えそうな表現です。

 

3、on the run→逃亡して

 

 ファイアボルトが没収されたのはブラックが送り主の可能性が高いからだと聞いたウッドの台詞中に登場。

 

4、lesson→(英)授業、(米)class

 

 イギリス英語とアメリカ英語の違いが面白いです。

 

5、comb→くまなく探す

 

 名詞だと「くし」。動詞だと「くしでとかす」がメジャーな使い方かなと思いますが、こんな意味もあるんですね。

 ちなみに、ハリーの個人授業のためにボガートを捕まえようとルーピン先生が学校中を探し回ったという場面で出て来ました(作中では、combingと進行形)。

 

6、How does it work→(日本語訳)どんな力を持っているのですか

 

 守護霊の呪文の説明を受けるハリーがルーピン先生にした質問。

 文脈次第でいろんな訳ができるであろう便利そうな表現。

 

7、hold...off→...を寄せ付けない

 

 ハリーが聞いた、リリーに向かって叫ぶジェームズの言葉。

 

8、do up one's shoelaces→靴ひもを結ぶ

 

 ジェームズの声を聞いて涙を流したハリーが、ルーピン先生の目を逃れるためにした動作。

 

以上です。

 

 

 無事にファイアボルトが戻ってきたところで、続く第13章は「Gryffindor versus Ravenclaw(グリフィンドール対レイブンクロー)」です。