きょう(2024年9月17日 火曜日)は、中秋の名月。
だからではありませんが、月組の宝塚バウホール公演『BLUFF』を観ました。
2時間半(休憩25分あり)があっという間。
今まで見てきた中で最も時間が短く感じられた舞台でした。







芝居の月組の面目躍如といったところです。
●風間柚乃さん ドノヴァン
苦労人が醸し出すミステリアスな雰囲気と大きな度量をここまで出せるジェンヌさんはいないでしょう。見事の一言。歌声にも輝きと伸びやかさが加わって(正直以前は「安定している」という印象でした)天才も成長するものだと感じ入りました。
●花妃舞音さん シャロン
役柄をよく研究されている印象を受けました。風間さんとは傾向が違いますが、地味で欠点を自覚している女性の役をきっちり演じられる数少ないジェンヌさん。歌の見事さは、まあ、実際にお聴きください。
●彩海せらさん ロジャー
華やか。何をやっても、どんな役をやらせても、人物がいつも生き生きしている。人間ってこんなに輝いていたっけ、もしかしたら自分も輝いているのかなと思ってしまう……音楽用語で言うと Allegro con brio
Allegro con moto という感じ。
●佳城葵さん メンデス
今回、わたしがやりたい役ナンバーワンの役です(なれるならね)。トリック・スターの要素の強い敵役ですが、今まで見てきた中で一番、役と個性がぴったり貼り付いている演技でした。笑いのポイントも確実にもれなく取る。ビジネス用語のMECE
(Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive 相互にダブらず全体としてモレがない)
を具現化したような演技。「何かやってくれる、ああ、やってくれた」と期待を抱かせ、しかもそれをちゃんと回収してくれるんです。
●彩みちるさん アイリーン
気性の激しい、情緒不安定な(情緒不安定にさせられた、というべきか)女性を演じるなら、このひと! という感じ。何より、色気と母性のバランスが絶妙でした。
●槙照斗さん カフィ&工員(親方?)
笑いを取れてしまう(笑い者という意味ではありません)演技ができる芝居巧者。もともと月組全体が芝居巧者の集団ですが、その中でも一頭地を抜く芝居でした。思わずツッコミたくなります。何が「テイッ」なんだとか、どこが「OK、OK!」なんだとか。バウホールの空気がいい感じにほぐれていました。
●乃々れいあさん キティ
お芝居中最後まで素性を隠している女性で、これはこれで難しい役です。最後まで観客に明かさないところが見事でした。言わなければバレないだろうと思うひとがいるかもしれませんが、意外とちょっとした素振りで分かってしまうものだと思います。
ということで、中秋の名月@バウホール、目が足りません。
素敵な舞台をありがとうございました。
【おまけ】宝塚阪急のあずき房で宇治金時と団子をいただきました。かき氷、ありがたかった。




