大変珍しい和菓子です。
まさに、天下の珍菓。
創業、文化2年(1805年)。
茄子の砂糖漬け「初夢(はつゆめ)」
茄子がお菓子になるなんて! 野菜でしょ! と思いますが、それは「野菜がお菓子になるはずがない」という先入観。
一口食べれば、どこに出しても恥ずかしくない銘菓であることが分かります。
食感は固めの羊羹で、黒文字で切るとき左手で茄子を押さえないといけないほどです。
もともと小ぶりですが、あらかじめ一口サイズに切ってお出ししてもいいかもしれません。
基本的にはもちろん茄子の味ですが、黒蜜・黒糖のような香りと風味があります。
黒糖羊羹を野菜にすると「初夢」になりそうだと思いました。
黒蜜・黒糖の風味って、ミネラル分(カリウム)の風味なんですね。
もう、
高原の夏の朝の爽やかさを閉じ込めたような、何ともうれしいお菓子。
庶民的な清々しさと典雅で繊細な気品ーー相反する要素を併せ持っているところがいい。
ヘタまで食べられます。茄子のヘタを食べるのは初めてかも。美味しい!
※お抹茶は純正宇治茶専門店・三星園上林三入本店さんの「昔詰」。
「初夢」があまりにおいしくて、お抹茶をおかわりしてしまいました・・・
パッケージやその中身はこんな感じです。
どうしてこの「初夢」を知ったのか?
茶道の「初釜」(新年最初のお茶会、茶湯始とも)についてあれこれ調べていたとき、
婦人画報の記事「初釜に愛されるお菓子とは? 三千家の先生方に伺いました」
の記事を見つけたのが縁でした。
一期一会とはこのことです。