鍼は深刺し? 浅刺し? | 西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

西宮・門戸厄神 はりねずみのハリー鍼灸院 本木晋平

鍼灸師、保育士、JAPAN MENSA(メンサ)会員/IQ149(WAIS-Ⅲ)、日本抗加齢医学会指導士、実用イタリア語検定3級。趣味は読書、芸術鑑賞、小説執筆(2019年神戸新聞文芸年間賞受賞)、スイーツめぐり、香水づくり。

こんばんは(^o^)/

きょうは、患者さまからの質問の回答を。

治療のお問い合わせをされる方、特に鍼治療を受けた経験のない方から

「鍼は痛くないの?」

という質問を受けます。

「できる限り痛くないように鍼を打ちます」

としか言えないのが残念・・・・・・
(実際は 「えっ、もう鍼打ったの?」 と驚かれることがしばしばあります)

わたし自身、生まれて初めて鍼治療を受けたときは怖かった。
痛いんじゃないか、何されるんだろうとビビッていました。

でも、覚悟を決めて鍼治療を受けてみたら痛くなかった。

何より、効いたんです。
体が軽くなり、ぐっすり眠れるようになった。

「鍼治療ってすごいなあ」 と感心して鍼治療を受け続け、
気がついたら治療する側に回ってしまった。まあ、そんな感じです。

もう少し上級篇というのか、以前別の鍼灸院で鍼治療を受けられた方などから

「鍼は深く刺すんですか? 浅く刺すんですか?」

という質問を受けます。

煙に巻くようで恐縮ですが、回答=結論は

「患者さまの感受性や病気の状況によって、深く刺すときもあれば浅く刺すときもある」

実を言うと、数年前までは深刺しオンリーでした。
2cm、3cmは当たり前、5cm以上刺し入れることもしょっちゅうでした。
それで医療事故が起きたことはありません。

それはそうです。
解剖学をきちんと勉強した上で、自分の体で試し打ちをし、安全であることを確認してから治療していましたから。
患者さまを実験台・被験者にするわけにはいきません。
それに
事故でも起きたら大変です。

でも、このごろは浅く刺すことも多くなりました。

従来の鍼の深さの半分や三分の一程度の深さでも効くことがわかってきたからです。
また、接触鍼(小児はり)という皮膚を破らない「刺さない鍼」でも一定の治療成績を収めることができるようになったという事情もあります。

要するに、上達したんです。

===

あくまで施術者側・鍼灸師側からの考えですが、鍼を深く刺すか浅く刺すかというのは、

「病気に効くように鍼を打てるかどうか」

という治療の本質からはずれた問いとも言えます。
鍼を刺し入れる深さが1mmだろうと10cmだろうと、効けばいいのです。

その一方、

●患者さまに不安や不快感を起こさせたくない
●気持ちよくリラックスした状態で治療を受けていただきたい


という思いもあります。

「鍼が怖いんです」という方にいきなり深刺しをすることはありません。

そのへんは、初診の問診のときに遠慮なくおっしゃってください。
お互い、納得のいく形で治していきましょう!