3.5次元の不倫 -15ページ目

3.5次元の不倫

この本は恋愛と人生についての小説ですが、
ひきつづき児童書(英語の対訳付)を書きました。
おたのしみに!

「私も信じています。現世、つまり三次元というところは、輪廻転生の回数の異なる肉体人間のるつぼです。転生の回数が少ない人は、精神レベルも低くて、人への愛や気遣いが欠落しているものです。あなたの周りには、そういう人が沢山いました。なぜ、そうだったのかは、もっと生きつづけてみなければわかりません。必要なことは、傷ついたインナーチャイルドを癒すことです。愚まい賢姉と言った人の顔を覚えていますか」「はい。おぼろげですが、覚えています」「では、目をつぶってください。心の中で、その人に言いたいことを言いましょう。怒りは、向けるべき人に向けても構わないんです」「そうなんですか。これまでずっと、怒りも恨みも押し殺すべきもので、それができないのは器が小さいからだと自分を責めてきました」「そういう方は多いんですよ。他人であれ親であり、許さなければいけないと思い込んで、本当の感情を心の奥に押し込んでいると、精神的に追い込まれていくんです。罪もない子供に傷を負わせた人は、正当な責任を負わなければならないんです。それなのに、無批判なままにその人の罪を免除してしまうというのは正しいとは思えません」「そうですか、今のお話を伺っただけで、随分と気持ちが楽になりました。では、始めます」「どうぞ」 --あなた、私の全てを知っていたの? 知るわけないわよね、初対面なんだから。それなのに、よくも平気で人をバカ扱いしてくれたわね! 何様のつもりなの。あなたこそ、大ばか者よ!--バシッ! 頬に一発おみまいした。次の指示が出された。子供時代の姉を正しく評価しない限り、低迷を続けることになるという。--いつも勉強を教えてくれてありがとう。私も見習って頑張ります--インストラクターが口にした通りの言葉を二度、復唱した。次に、自分で自分に沢山の免状を与え、ニッコリと微笑む少女の自分を心のキャンバスに描いた。そして、インナーチャイルドを清める儀式は終わった。惨めな自分は、葬り去った。すべてはうまく行く。元来、強運の持ち主なんだから! 最終バスの座席に身を沈め、繰り返し、繰り返し言い聞かせた。