久しぶりにクマリについてのブログを書く。

最近知り合った人達には知られてないであろうが、僕はクマリデパートに通い始めた頃はよくブログを書いていた。もっともその頃のブログはLINEブログの消滅でもう僕自身すら読むことは出来ない。

なぜブログを書かなくなったのか。僕のブログは「詳細なライブレポ」なんかではなく「溢れ出る感情の吐露」に過ぎない。幸運な事に最近は専らライブ後にそうした「溢れ出る感情」を共有してくれる知り合いが増えた事により、自宅に吐き出せない感情を持ち帰ることが少なくなった。

しかしながら、「大感謝祭」を見終わり、「居ても立っても居られない」感情が久しぶりに芽生えた。


「大感謝祭」と名付けられたそのイベントが発表されたのは、随分前になる。あれは8月だったか9月だったか?6月の羽田だったか?(僕のブログではこうしたあやふやな部分があるのだが、自分の記憶だけを頼りに書く主義なのでスルーしてください)。
その時点では詳しくは伝えられなかったが、「12月27日」になにかあります、との発表だけであった。

やっとイベント名と「全曲ライブ」と発表されたのはもう年末が差し控えた11月下旬の事であった。チケットを取った時は何も気にしていなかったのだが、徐々に日程が近づくにつれ「どうやら3、4時間あるらしい」と聞こえてきた。そして、僕は楽しみよりも「え?そんな長時間耐えらるんだろうか?俺」と懸念が上回ってしまった。

当日は、12時半より事前特典会が行われた。17時から始まるライブだけなら午後半休でも間に合うのだが、年末最後の大イベント、有給を取り、1日クマリデパートを楽しむ事にした。事前特典会からライブまで時間が空くし、何より早い。流石に物好きしかいないだろ、とタカを括っていたのだが、会場であるZEPP DIVER CITYのロビーに着くと、既に長蛇の列。。。慌ててマナちゃん列を探すが、先頭が見えない。なんなら年末最後だし、他メンバーも回すか、くらいの心持ちだったのだが、早速折れてしまった。なんとかマナちゃんを撮り終えて、ゆうなこ列に並ぶ。

「あれ?今日緑じゃなくない?」
黒のクマリパーカーを着ていた僕にゆうなこが言う。
「Tシャツ買ってないの?」
前日に新作Tシャツが発表されたのだが、買ってなかった。
「レス貰えないよ!」
ゆうなこは毎回心を刺してくる…。


さて。事前特典会を終えたのが、13時過ぎ。16時15分の開場までまぁまぁ暇だ。
浜松町のゴールドジムに行くつもりだったのだが、心なしか頭が痛い。
マツモトキヨシで頭痛薬を買い、安静にした。まぁ、ヲタクと話してただけだけど。。。

長い、と思っていたが、意外とすぐ16時になった。気付くと頭痛は消えていた。ありがとう、バファリン!

それなりに落選者が出ていたのであまり公言していなかったが、僕はS席であった。なんとなく最近は落選者が出たイベントはツイートを控えてしまう。縁日、、、うっ、、、。危うく他界しかけたぜ!

場内に入り、下手3列目に座った。横を見るとセンターブロックの知り合いの横が空いていたので場所を移動する。奇しくも七瀬マナ推しが3連番となった。なんとなく安心感がある。もっとも、こういう場合、レスの判別が付かない。親指を下に向けられたら自分だ、とわかるのだが。

場内を見渡すと、新Tシャツを着ている人の多さに驚く。心が動く。
慌てて物販に向かう。
マナちゃんは最後の1枚だった。
買えて良かった。
ゆうなこに感謝。

45分の開場時間はあっという間に過ぎた。

17時になり、場内が暗転し「おいでよクマリデパート」が流れ、メンバーが出てくる。
客席のペンライトが一斉に同じ動きをする。
やはり単独は良い。
フェスでは必然的に、他所のヲタクもいる訳でこうした一体感は、無い。

一曲目は「永遠サマー」からスタートした。TIF以降、夏場に繰り返し披露した事ですっかり定番曲になっていた。あちこちからコールやメンバーの名前を叫ぶ声が聞こえる。僕にとってクマリ現場独特の心地よさの一つは「フロアの同調圧力」が無いところ、である。コロナ禍で大きく曲を増やしたグループ、という事もありバチッと、コールが決まっている曲は少ない。それ故に「あ、こんな所でコールすんの?」というシーンも度々ある。これだけ「良い意味で」統率が無い現場も珍しい。

「古参から代々受け継がれし有り難きコール」

それらが界隈によって守られているグループには、どうしても新規には窮屈に映る
。今の現場は今日いる人間が作っていけば良い。

「渋谷スクランブルLOVE」「夢見た未来のネットワーク」、と「ミニデパ」曲が続く。
CDとは逆の順番なのだが、やたら良い。特に「夢見た未来のネットワーク」は曲自体は悪く無いのだが、トッパーに持ってくるには些か、心もとない。改めてこうして並べられると単純な湧き曲「永遠サマー」、曲が良い「渋谷スクランブルLOVE」、振り付けが楽しい「夢見た」、と意外とミニデパ3曲のバラエティさに気付かされる。

続いて「ヒミツ」「魔法少女Q」と来て「あれ?これもしかしたら?」。
「ぶどう」「夏へのとびら」で確信した。

「これリリース順遡っていってんのか!?」

これ、逆というのがミソで、シングル曲はまだしも、アルバム曲は(少なくとも僕は)意外とわからなくなる。

次は「コスモデパート」曲の番なのだが、アルバムだと最後に6人バージョンの「アンサー!!」「シャダーイクン」が入っているので瞬時にラスト曲がわからない。

「宇宙の果てで恋をした」がはじまった。

武道館で感動的なシーンとなった同曲を見ていると、感謝祭の「宇宙」はステージも照明もシンプルな為、若干、弱い。
その弱さ、とは「ドラマを感じない」所だ。

僕が今まで通ってきたグループには、「ドラマ」が多かった。
「〇〇年の豪雨の中で歌われた〇〇」
「〇〇リリイベで屋外で歌われた〇〇」
そうした楽曲やらメンバーに纏わる「ドラマ」が、これまた

「古参より代々語り継がれしドラマ」

勿論、今までそういうエピソードを僕も享受してきたのでそれはそれで理解はするのだが、最近は正直、胃に重い。

クマリはそういう意味で「ドラマを感じない」。それは僕にとって批判なんかではなく、クマリの愛すべき個性である。ゆえに武道館を引っ張らない「宇宙の果て」の弱さは、寧ろこの3時間半の長丁場の前半としては胃に優しかった。

次の「ケン%」が終わるとMCが入った。
が、しかし、ここまでMCが入らない事に驚いた。「おいクマ」から数えてここまで10曲である。てっきり体力温存のためにMCや休憩が多くなると思っていた、が、ほぼノンストップである。

あっさりとMCが終わると次は「ククククマリデパート」からスタートした。
あぁ、ここでスタートするのはとてつもなく「上手い」。
まるで落語の名人芸を聞いているように構成がスムーズで、無条件にアドレナリンが爆発する。

発表時、賛否が目立った「十字キー」も至る所でコールが聴こえた。嬉しそうに微笑むさおこの笑顔が眩しい。それは1年前の雪辱を果たした勝利の笑みにも思えた。

「ファニチャー」に続き、「トマンナヨ」。「十字キー」同様、当初は苦手派が多数を閉めていた曲であったが、11月の「男子限定ライブ」で突然「湧き曲」に生まれ変わった曲である。この変化は私立恵比寿中学の「でかどんでん」に似ている。「でかどんでん」も当初は否定派が多かったが、今では肯定派が多い。こういう「現場での化学反応による曲の変化」はとても楽しい。そして、その化学反応を逃したくなくて、僕は色んな現場をつまみ食いするよりも、限られたグループを極力、追っていたい派である。

クマリデパートしか!である。

と、ここまで書いてきてこのペースで書いていると、いつまで経っても終わりそうにない。飛ばしたい所ではあるのだが、改めてセトリに「無駄がない」。「全曲ライブ」で「無駄がない」というのも矛盾した話なのだが、「全曲ライブ」だからこそ成立しえない「ドラマ」があるのだ。

「トマンナヨ」に続き「サイエンス」、その後に「なっちゃうよになっちゃうよ」。これまた問題作であり、1月のコスデパリリイベ以来、やってないような。。。が、これまた全曲ライブにぶち込まれる事で、箸休めとして絶妙な味わいを醸し出していた。

続く「キッチン」では一際歓声が大きかったように思う。前半では「夏へのとびら」も凄かった。客席の反応で、みんなの聴きたい曲がわかるのもまた「全曲ライブ」ならでは。続く「あみだ」「豆まき」と問答無用な楽しい曲が続いた。「豆まき」が終わると暗転し、メンバーがステージ袖に戻っていった。

ここで「休憩」と思った人が多かったようで、そこかしこで座席から離れていく人が目に入った。

が、ここはトリッキーで、すぐさま「おいでよコスモデパート」が始まり、先ほど席を立った人達が戻ってきた。武道館前の春ツアーでは毎回「おいコス」始まりだったのだが、如何せん「おいクマ」があるせいで、「武道館」以降では見れなくなってしまった曲。そして、すぐさま「2060年チェリーブロッサムの旅」になった瞬間、大歓声が上がった。

ここまでは、リリース順、CD曲順を巻き戻していたのだが、ここに来てアルバム通りの流れをぶち込んだ。これが順当に「2060年」「おいコス」だったなら、そこまでの興奮は生まれなかったであろう。ここは意外性、と待ってました、感で2023年パート、最高に興奮した瞬間だった。

そして、次にアルバムから漏れていた「今さらだけど、恋しませんか」。ここまでの流れが完璧過ぎたのでポツンと置かれたシングルカップリングで、蛇足になりそうなのだが、曲自体が素晴らしいので全く気にならない。楽しい楽しい楽しい。因みに「今恋」、当初は後半の間奏パートはみんな踊っていたのだが、最近は「クラップー」になってますね。どっちもどっちで楽しい。

で。続いたのが「これから」。なのだが、これも本来なら「今恋」と同様、単純に「アルバムから漏れたカップリング曲」ではあるのだが、この2曲では大きく印象は、異なる。そして「セカデパ」パートに突入し、「せかいの終わりの物語」が流れた瞬間、素晴らし過ぎて、ため息が漏れた。

「これから」「せかいの終わりの物語」。

「大感謝祭」と名付けられたこのイベント。どこまで確信的なのかはわからない。なるほど。それは、ヲタクへの感謝だけだったのか?色々と想いを馳せた。

「コスデパ」から「セカデパ」へのディスクチェンジとしてはこれ以上ない完璧なセトリである。

そして続く「ゴイリョクタラズ」。曲自体は今でも普通にやるが、「セカデパ」パートで披露されると不思議と2021年の気持ちを思い出させた。今ではすっかり忘れてしまったが、2年前はまだまだ加入当初のマナメイには持ちパートが少なかった。どちらかというとバラードが苦手な僕の得意な曲調では無いのだが、あの頃はまだ数少なかったマナちゃんの1番の見せ場だった。夢中になって緑のペンライトを振った。他に好きな曲は山ほどあるのだが、この曲が一番マナちゃんパートが体に染みついている。最後のフワフワみたいなダンス、あそこのマナちゃんはとても神妙な顔付きなのだが、なんとなく今日はにこやかに思えた。

ここから続く「セカデパ」パートはひたすら懐かしい気持ちになり、この2年間の出来事が頭をよぎり、なぜだか無性に「泣けた」。

冒頭で「クマリという存在のドラマ性の不在」と書いたが、いや、実際の所はある。全然ある。それがあまり感じられないのは社長や運営やメンバーやヲタク達があまり過去を引っ張らないからな気もする。

「ちきゅらぶ」を聴きながら、3年前に初めて見たukkaとミシェルとの3マンを思い出した。
「ネコちゃん」を聴きながら、2年前のエクストロメ福島を思い出した。

自分が思っている以上に、この3年間の人生は、クマリと共に歩んできたことを実感した。

「365」が終わり、今度こそ本当の15分の休憩になった。



喫煙所に入ると、ぎゅうぎゅうに詰まった喫煙所の至る所で、ヲタク達が今までの曲やら、これからやるであろう曲について話していた。

ポケットを探すと煙草が切れていた。すると、知らないフウカちゃん推しの人が一本差し出してくれた。遠慮すると、

「困った時はお互い様ですよ」

僕は名前も知らないフウカちゃん推しに感謝しながらタバコに火をつけ、周りが嬉しそうに目を輝かせながらクマリを語る様子を眺めていた。

休憩が終わるとラスト、「ココデパ」パートに移った。確か既に時間は19時半位だったように思う。あれほどまでに「飽きる」と思っていた長尺ライブだったのだが、全く飽きていない。隣のヲタクと「めびうす」と「朝焼けグローリー」はどこに入るんだろうね?と話した。自分でも不思議なくらい、子供のようにワクワクしていた。

再び場内が暗転すると「サマーニッポン夏サマー」が流れた。夏のライブだと、ラストが何回もエンドレスで繰り返されるのだが、流石に今回はCDバージョンだった。続く、ど定番の「シャダーイクン」はやっぱり盛り上がった。「セカデパ」では勝手に思い出に浸っていたが、「ココデパ」パートではまた再び、ひたすら楽しくなった。

「ウダガワ」に続いて「めびうす」が披露された。今日何度目かの「うわー、ここでそれ持ってきたかー!」の驚いた瞬間だった。

12月の色んなイベントでヲタクと会うたびに「めびうす来たら椅子どかしてみんなでサークルやりましょう」と言われていたので、一瞬暴動が起きるんじゃないか、とヒヤッとしたが、流石にそんなことは無かったが、最前のヲタク達だけ、数人の小さなサークルを作って回っていたのを目の端に入ってきた、笑ってしまった。

ラストの肩組みでは誰が始めたのか分からないが、横から手が伸びてきて、全員で肩を組んだ。こんな自然発生的に肩を組んだのなんていつ以来だろう?10年前のエビ中では「永遠に中学生」が来ると肩を組むのが常識であった。エビ中初のSSAのラストはそれはそれは、感動的な光景だった。しかし、エビ中に女性ヲタクが増え、またエビ中自体も「永遠に中学生」をやらなくなった事で、いつしかその文化が失われてしまった。そして、2023年に再び、そんなやさしい後継を目の当たりにして、じんとしてしまった。本日何度目かの「クマリ推してきて良かった」瞬間だった。

「めびうす」「あいろにー」に続いて、「朝焼けグローリー」。初めて見たの福島だったっけ?「めびうす」も「朝焼け」もサブスクには入っておらず、僕が推し始めた3年前の時点でも「レア曲」だった為、最初の頃は披露されてもぼんやりと眺めていた。今でもレア曲に変わりないのでやっぱりあんまり振りコピは出来ないけれど、3年前よりはちょっとだけ覚えた。

「朝焼け」が終わると「ピアノ」。初めて行ったクマリの6thワンマン。僕が人生で初めて書いたブログはこの時のものだ。その時期、まだクマリの曲を殆ど知らなかったが3曲目か4曲目で披露された「ピアノ」でクマリに恋に落ちた事はいまだに忘れない。曲名すらも分からなかったが、6人が横一列に並んだ瞬間、「あ、このグループ好きだ」と思った。一番好きな曲はコロコロ変わるからわからないが、好きになったきっかけの曲と聞かれたら間違いなく「ピアノ」になる。

「いくじなし」「二四時間」と続き、ラストは「愛phone」だった。とてつもない興奮と熱気が場内に渦巻いた。

終演後は再び特典会だった。

特典会が終わり、ZEPPを出るともう時計は22時をさしていた。語りたい事が山ほどある。ここまでヲタクと呑みたい日は、そうは無いのだが、なにぶん、遅い。。。
この日のただ唯一の不満は「呑めない」、それだけだった。あわてて台場駅前のローソンに行き、缶ビールを2本買った。

特典会が終わって出てきた友達に一本を渡し、ささやかな乾杯をした。

道すがら、顔見知りのヲタク達に挨拶をする。

「良いお年を」

2023年も、もう終わる。

去年の今頃は、何ミリか、「もしかしたらクマリは武道館で終わってしまうじゃないか?」と覚悟していた。しかし、まだまだクマリは続いている。

帰りの電車で窓の外の年末を感じさせるライトアップされた風景をぼんやり眺めながら幸せな気持ちになった。

1/3のチケットも買わなくちゃな

おしまい