先日、とあるグループのメンバーが自信のSNS発信の必要性に悩んでいるブログを読んだ。まぁ、これを読んでいる知り合いは「ああ、その件ね」と思うだろうがあくまでもそれはきっかけに過ぎずそのメンバーについての話ではない。

浅はかにそのメンバーの心境を読み取ると「オタクの反応薄いな、おい」という事だろう。
それは分かる。俺だって、渾身のツイートをあげても100インプレッションだったりすると「あ、みんな俺には興味ないのね。俺なんて生まれてこなければ良かったんだ」とちょっとだけ太宰治みたいな気持ちになる。
世間の端っこで泥水をすすりながら生きてきたおっさんですら反応が少なければ気にする訳で、若いアイドルが気にしない訳はないであろう。

なにもこれはそのメンバーに限った事ではなく、多分SNSを苦手と思うアイドルは多いと思われる。俺自身が見ていてそう思うメンバーもいるし、実際本人から聞くこともあったりする。

アイドルの情報発信でオタクは増えるのか?

結論から言ってしまうと「増えない」と思う。勿論、ツイートが面白いから特典会行ってみた、インスタで気になったからライブを見てみた、ひとつのきっかけになる事はあるだろう。但し、あくまでもそれはきっかけに過ぎず、圧倒的多数は「曲」であり「ライブ」からファンになる人が大多数であり、言うならばアイドルのSNSの情報発信は「電子版フライヤー配り」に過ぎないだろう。

では不要なのであろうか?

いや、めちゃめちゃ大事だと思います。

先ほどファンになる要素として「曲」と「ライブ」をあげた。言うならばこれらはファンづくりにおける「種」である。種だけでは花は咲かない。SNSの情報発信は花を生かし、成長させる為の「水」であり「光」であろう。

つまり、「水」や「光」だけでは花は咲かないけれども、同時に「種」だけでは成長しない。もし仮にライブと音源だけでSNSの情報発信を一切やらないアイドルがいたとしたらオタクは速攻枯れてしまうだろう。ライブに行く頻度はそれぞれ異なるが、そのライブに行かない日常での隙間の「光合成」、それが「アイドルからの情報発信」なんじゃないだろうか。

じゃあ、その頻度はどの位が良いのだろうか?
草花でも手入れが異なるように、そのメンバーのファン層がどのような種類か、にもよると思う。結論「花が腐らない程度に与えてあげましょう」という事になる。

次にどのような肥料を与えれば良いのか?
正直これもファンによる、となってしまう。内面を深堀りしたいファン層が多いメンバーの場合、喜ばれるのは日々の気付きや出来事の丹念な報告であろう。
ビジュアルが好かれているメンバーならば画像だろう。

finger runsというグループの「兎月こむぎ」というメンバーがいる。
この子のツイートは毎朝一枚の画像と「おはようして~」の一言のみ、である。
が、やたら気をひかせる。
この子の面白いのは稀に「おやすみして~」や「えらいえらいして~」等変化球を投げつけてくる所である。男でも女でもどこかしら気まぐれな異性に振り回されたい願望があると思うのだが、この子はそういうファン心を上手くくすぐっている。

もっとも、兎月こむぎの方法論は一例に過ぎない。

結局の所、そのメンバーの魅力がファンに伝わっていればそれで良い、という事になる。それはぎこちない言葉でも、すっぴん画像でも良いし、食事の画像だって良い。とりとめのない結論だけれども、「あぁ、なにか愛しの推しが表現したがってるな」と思えばそれだけで良いんじゃなかろうか。

アイドルからの「光」があれば勝手に「光合成」を始める。オタクなんてそんなもんだから。