秋の夜長 | 愛蘭土竪琴通信

愛蘭土竪琴通信

アイルランド・ダブリン発
ハープ奏者 村上淳志のブログ

こんにちは。
気付けば、もう神無月。
ダブリンでは早くもサンタやトナカイのチョコレートをお店で見かけます。

先月、杏林大学のPeter MacMillan教授が伊勢物語を英訳出版されました。在アイルランド日本大使公邸では記念晩餐会が開催され、演奏する機会を頂きました。
現代日本語訳にするだけでも大仕事なのに、素晴らしいです。







さて、こちらは日本人作家によるアイルランドの物語。
皆川博子著、海賊女王(光文社文庫)。





16世紀に実在したアイルランドの女海賊グレース・オマリー(グローニャ・オマリー、グラニュエル・オマリー)の、陰謀渦巻くゲールの世界を舞台にした血沸き肉踊る大河小説です。淡々とした語り口が物語に合っています。
かなりのボリュームですが、秋の夜長にどっぷりと異世界に浸ってみてはいかがでしょうか。きっと読後にはアイルランドを違った目で見ることができるでしょう。

自分がハープを教えているWaltonsから、物語の舞台としても登場するダブリン城を眺めることができます。





グレース・オマリーは数々の物語や演劇の題材になっていますが、アイルランドの作曲家Shaun DaveyによるGranuaileという作品があります。本を読んでから聴くと、一層楽しめると思います。




ダブリンは肌寒くなってきました。ハープを弾く指も、少しかじかむのを感じます。
今日、もこもこのスリッパを買いました。





最後に、久しぶりにガツンとやられた音楽を紹介します。
超絶コンサーティーナ!かっこいい。