低血糖症の治療が始まって、心おきなく治せるというわけではありません。治療していく中で、辛いこともあります。そういうマイナス面も知っておいた方が対策ができると思いますので、今回はその点をクローズアップしようと思います。
・何を食べればいいかわからない
いざ食事を変えるとなると戸惑うものです。夜は自炊しているので、おかず中心の食事をすればいいです。問題は朝と昼。
朝はいつもコーンフレークに牛乳かけて食べていたのですが、コーンフレークは炭水化物です。自分なりに考えて玄米フレークとかにしてみたのですが、栄養士さん的にNGらしいです。(この辺の食事指導は後日ご紹介します。)
昼はいつもコンビニでサラダとサンドイッチとデザートを買っていたんですが、サンドイッチは炭水化物ですし、デザートは糖分なので論外。お弁当のご飯も食べれない。炭水化物の代わりにタンパク質を摂るということを心がけて、チキンとか買ってみたり。
食事制限をして気付いたんですが、私たちの周囲には炭水化物と糖分があふれているんですね。糖質制限ということで、成分表示とかよく見るようになったんですが、おかずの表示を見てもかなり上位にブドウ糖や水あめ、ショ糖などの糖分が入ってます。お菓子もそうだし、パンも炭水化物だし、飲み物にも糖類たっぷり。こんなに糖類に囲まれて生活しているなんて、思いもよりませんでした。
厳密に糖質制限を行おうとすると、はっきり言ってかなり大変です。
・友人と遊んでいる時の店の選択
友人と遊んでいて、ちょっとティータイムなんてことが出来ないのが辛いです。低血糖症の人にはカフェインの影響が強く出る人もいるらしく、私はそのタイプでした。カフェインを摂取すると手が震えだして、動悸がしたり、眩暈がひどくなったりします。ケーキセットなんて食べようものなら、立って歩ける状態ではありません。
女子に人気のパスタ屋もダメだし、ピザもだめ。
行き場所はだいたい飲み屋で、肉とかサラダをつまんでました。梅酒が好きなんですが、梅酒は糖分たっぷりなので、我慢してモスコミュールとか。
友人はそのことを全く気にしてないようですが、毎回申し訳なく思います。
・理解してもらえない
私にとってはこれが一番辛いです。両親にすらなかなか理解してもらえず辛い思いをしました。
低血糖症だとわかった後、両親に連絡したんですが、低血糖症という名前も初めて聞くものですし、本屋でも見かけない。何度も症状とか理由とか聞かれました。なかなか理解してもらえないのにイライラして、検査結果のコピーと低血糖症の本を送りつけました。すると理解してもらえたようで、今では玄米とか送ってくれます。
職場では本当に肩身の狭い思いをしました。医者がごろごろいる職場なのに、誰も低血糖症を知らない。「なんか違うんじゃないか」「眠れないのいいなあ。自分の時間増えるじゃないか」「あまり休むと仕事してないと思われるぞ」とか言われて、全く信じてもらえませんでした。こんなに辛いのに・・・その頃の私は精神が不安定だったのもあり、悔しさのあまり休憩所で声を出して泣いたこともありました。
定期健診でそのことを相談すると、「低血糖症の患者さんは、皆さん理解してもらえないということを悩んでいる」ということを教えてくれました。やはり皆さん悩んでいるんですね。「低血糖症自体あまり知られていないから、理解できない人もいる。そういう人は放っておけばいい。無理に説明しても、それがストレスだから」とアドバイスしていただきました。
確かにそうなんですよね。1~2回説明しただけで親しい先輩や友人は理解してくれました。両親も本を読んで勉強してくれて、理解してくれました。理解しない人は何を言っても理解しないんですよね。そう思ったら少し楽になりました。何か言われても、「そういう治療なんで」「病院でそう言われているので」「通院なんで」と突っぱねるようにしました。低血糖症のことを説明するより、こうした方が効果があったような気がします。
低血糖症は体調の悪さだけではなく、食事に気を遣ったり、精神的ストレスも多い病気です。食事療法で治療していくので、低血糖症の治療は時間がかかります。治療していく中で、食事にしろ理解者にしろ、どの辺で妥協するかがポイントになってくるのではないでしょうか。