Z・ルービン
『好きになること 愛すること』
1981年 市川孝一 樋野芳雄訳 思索社
社会心理の対人魅力のうち、
特に恋と愛に焦点を当てた書。
実際の実験を紹介しつつ、
人種や男女差を強く意識しており、
アメリカ人らしい考えかただった。
恋愛とは、最終的には、その人の数だけあるわけであり、
普遍化は不可能だ。大まかにどういった傾向が
あるかを考えるには良い。
対人市場として把握したり、第一印象、
単純接触効果、類似性、自己開示や
認知的不協和によるコミットメントの親密さなどについて書いてある。
(気に留まった記述メモ)
・祭りの必要性
「通常はコントロールされた生活を送っている諸個人は、
そうした表出から直接に導き出される快楽と、
自由奔放・落花狼藉の時期に続いて再個人化するという
より大きな快楽とを経験できるように、このような
お祭り騒ぎを必要とするのである…個人性の痕跡をも消し去るために
他者とつきあいたいという気持ちになるものである」(91頁)
・相談の価値
「相談は価値の交換だと考えられている。
…アドバイスを求めることによって、彼はすぐれた
同僚の技能に対し、暗黙のうちに尊敬という対価を
払っているのである」(105頁)
・二人の釣り合い
「パートナーの一方が他方に比べて依存とかかわりの度合いが
かなり高いような関係は不安定なものになりがち
…収奪者としての役割に罪の意識と不快感を感じるのである」(108頁)
・社会的承認
「社会的承認も、エサと同様に限界効用逓減の法則を持つ傾向がある」(112頁)
・共感
「共感とは、こうであろうと思う他人の感情状態をある人が代理的に経験することである」
・正しいことを行う理由
「われわれは、「正しいこと」をしたのだということを知るという内的報酬を経験する」(128頁)
・二人の関係の親密化
「親密な関係においては、人は次第に他人から自分が得るものについての関心は薄れ、
他人に対してなし得ることに関心を持つようになる」(130頁)
・「認知的強調」(144頁)
・人間の一貫性の無さ
(人間は)「実際のところは一貫性のなさという人間的性格を持っているものである」(147頁)
・原因の帰属
「ある人の行為を状況的な要因よりも、その人間の持続的な性質に帰そうという動機が強いものである」(151頁)
「他人について一貫した評価を達成したいという願望は
…自分の最初の意見が誤りであったということを
認めたくないという気持ちからも出ている」(160頁)
・初頭効果と親近効果
(初頭効果と親近効果を決める中心的なものは)
「その人の前提の組み合わせであるが、その前提に対応して
他人の特性は安定しがちであり、前提そのものは
変わりやすいものである」(160頁)
・単純接触効果
「ある特定のものに対する人々の態度は、
それらの物のシンボルに人々を繰り返し接触させることによって
増強されうるということである」(173頁)
はじめに好ましい・中立と思ったものは接触が増えるにつれ好意が増したが、
否定的に思っていたものは否定が強められた(186頁)
ステレオタイプを打破するには、類似性を認めさせるべき、
それには例えば呉越同舟を作るのが一番良い(191頁)
「自己実現の段階に移った人々は…差異にも未知にも脅かされない」(227頁)
・自己開示:モデリングと信頼(241頁)
「人が外的に強制されたと信じている行為は
コミットメントを生まないが、それに対して個人的な責任をとる行為は
コミットメントを生む」(266頁)
「コミットメントは、継続的な選択の文脈に
組み込まれた時に最強のものとなる」(268頁)
『好きになること 愛すること』
1981年 市川孝一 樋野芳雄訳 思索社
社会心理の対人魅力のうち、
特に恋と愛に焦点を当てた書。
実際の実験を紹介しつつ、
人種や男女差を強く意識しており、
アメリカ人らしい考えかただった。
恋愛とは、最終的には、その人の数だけあるわけであり、
普遍化は不可能だ。大まかにどういった傾向が
あるかを考えるには良い。
対人市場として把握したり、第一印象、
単純接触効果、類似性、自己開示や
認知的不協和によるコミットメントの親密さなどについて書いてある。
(気に留まった記述メモ)
・祭りの必要性
「通常はコントロールされた生活を送っている諸個人は、
そうした表出から直接に導き出される快楽と、
自由奔放・落花狼藉の時期に続いて再個人化するという
より大きな快楽とを経験できるように、このような
お祭り騒ぎを必要とするのである…個人性の痕跡をも消し去るために
他者とつきあいたいという気持ちになるものである」(91頁)
・相談の価値
「相談は価値の交換だと考えられている。
…アドバイスを求めることによって、彼はすぐれた
同僚の技能に対し、暗黙のうちに尊敬という対価を
払っているのである」(105頁)
・二人の釣り合い
「パートナーの一方が他方に比べて依存とかかわりの度合いが
かなり高いような関係は不安定なものになりがち
…収奪者としての役割に罪の意識と不快感を感じるのである」(108頁)
・社会的承認
「社会的承認も、エサと同様に限界効用逓減の法則を持つ傾向がある」(112頁)
・共感
「共感とは、こうであろうと思う他人の感情状態をある人が代理的に経験することである」
・正しいことを行う理由
「われわれは、「正しいこと」をしたのだということを知るという内的報酬を経験する」(128頁)
・二人の関係の親密化
「親密な関係においては、人は次第に他人から自分が得るものについての関心は薄れ、
他人に対してなし得ることに関心を持つようになる」(130頁)
・「認知的強調」(144頁)
・人間の一貫性の無さ
(人間は)「実際のところは一貫性のなさという人間的性格を持っているものである」(147頁)
・原因の帰属
「ある人の行為を状況的な要因よりも、その人間の持続的な性質に帰そうという動機が強いものである」(151頁)
「他人について一貫した評価を達成したいという願望は
…自分の最初の意見が誤りであったということを
認めたくないという気持ちからも出ている」(160頁)
・初頭効果と親近効果
(初頭効果と親近効果を決める中心的なものは)
「その人の前提の組み合わせであるが、その前提に対応して
他人の特性は安定しがちであり、前提そのものは
変わりやすいものである」(160頁)
・単純接触効果
「ある特定のものに対する人々の態度は、
それらの物のシンボルに人々を繰り返し接触させることによって
増強されうるということである」(173頁)
はじめに好ましい・中立と思ったものは接触が増えるにつれ好意が増したが、
否定的に思っていたものは否定が強められた(186頁)
ステレオタイプを打破するには、類似性を認めさせるべき、
それには例えば呉越同舟を作るのが一番良い(191頁)
「自己実現の段階に移った人々は…差異にも未知にも脅かされない」(227頁)
・自己開示:モデリングと信頼(241頁)
「人が外的に強制されたと信じている行為は
コミットメントを生まないが、それに対して個人的な責任をとる行為は
コミットメントを生む」(266頁)
「コミットメントは、継続的な選択の文脈に
組み込まれた時に最強のものとなる」(268頁)