“ 長期保存可能な生豆 ”では生豆は短期間で経時変化を起こすモノもあるので、長期保存が効かない。と述べてきた。
 コーヒー豆は植物の種子である。では何故、種子を作るのか?種族を維持して行く事や繁栄が目的であり、如何に強く多くのモノを残せるか。それに伴い発芽してから良い条件下で生育出来るように、条件が整うまでは保身を行う事が種子に課せられた使命である。それは成長に対して相応しくない気候や病害虫を防ぐ為、細胞を密にしそれらを堅く閉ざしている。
生育条件が揃うまでに温度が上昇しすると、今度は細胞同士が離れ発根・発芽しやすいように柔化する。
このような性質を持つと考えられ、自然の中で生き延びて行くシステムである。
 一方、コーヒー豆の焙煎は人間が飲用にするのに相応しいモノとする行為であり、コーヒーの樹の種族を維持・繁栄には直接の因果関係はない行為ではある。しかし、豆の性質上で経時変化が起こるのであれば、その性格に合わせた手法を取らなければならない。
これを人間が勝手な思いこみで行っても、正しい回答を得る事は出来ないわけである。
 ニュークロップと経時変化を来した豆の温度上昇率は明らかな違いを見せ、ニュークロップは焙煎初期に温度上昇率が低く、ある程度熱を内包すると、火力を絞っても温度が下がりにくい。経時変化を来した豆は焙煎初期から温度上昇率が早く高くなり、逆に火力を絞ってしまうとフレキシブルに温度が下がって行く。これは細胞の間隔が密か粗であるかによって、比熱伝導率が変化した為と考えられる。ニュークロップとオールドクロップの違いの一般的な捉え方としては、ニュークロップは含水量が多く濃い色をしている。オールドクロップは水分が抜けて白濁化する。焙煎するとニュークロップは水分が多い分火が通りにくく、オールドは水分が少なく焙煎しやすい。と説明される。ホントにそれが正しいのだろうか?
色が白濁化するのは水分が減少するだけで起こる分けではない。先ほど出た細胞の間隔が密の場合は光の直進性が良く濃く見え、粗になると豆に当たった光が拡散され白く見える。焙煎がやりやすいのは比熱が低く伝導率が良い為、アクションとリアクションがフレキシブルに対応してくる為である。特に、ニュークロップでは豆の表面と中心との差異を正確に捉える事が難しいく、豆全体の成分を同時に化学変化させる事が困難である為、焙煎機の性能如何によって難しく捉えられてしまうのである。
 質の高いニュークロップは、元々の味が良い為に成分変化に差異を生じさせても、かなり高いアロマを感じる。質が低いニュークロップで成分変化に差異を生じされば全く良さを感じさせられないモノとなる。
やはり、どちらのニュークロップでも、なるべく成分変化に差異を生じさせない焙煎手法を心がけたい。
経時変化を起し劣化した豆では成分変化に差異を生じにくくはなっているが、生じると全く良さを感じさせられないモノとなる。特に、細胞の間隔が密であるにも関わらず劣化した豆では、差異を生じさせると、とんでもない味になってしまう。
どんな状態の豆でも表面と中心の温度を揃えて焙煎出来る様にしなければならない。