手近に焙煎を始めるにあったって、多くが手網から入門するのではないだろうか。そしてうまく焼くことが出来ず、ちょっと焙煎機に形だけ近づいた手回しサンプルロースターに移行する。それが果たして正しい選択なのだろうか。サンプルロースターで技術の向上を図ろうとすること事態ナンセンスである。なぜなら、サンプルロースターでは“火力調節”“排煙処理”この2つを機能させることが出来ない。しかし、この2点を外しては技術の向上など、出来るわけもない。しかし、一見するとおもちゃのように感じる手網焙煎器は、その機能を技術によって補うことが出来る。また、豆の反応がダイレクトに伝わり焙煎技術を習得するにはもってこいなのである。但し、焙煎中にチャフが飛散しレンジ周りは相当汚れることを覚悟しなければならない。また、2ハゼ中盤以降まで進めるには煙も相当出てくるので部屋に煙が立ちこめてしまうことも覚悟しなければならない。よく、これらの対策に“豆を洗ってから焙煎する”“屋外で焙煎する”などと聞く。しかし、これらは全くの論外。これらを行うと、豆は熱の受け取り方が全く異なってしまうので、本当に焙煎を覚える気構えなら焙煎後の清掃までを行程と考えるべきである。1batch150g以上入る大きなモノはチャフ・煙の出方も当然多くなるので、居住面での制約を受ける場合は、80g程度入るモノがベストと考えている。
 余談となるが、進行度合いの確認は“網との接触音”“煙の出方”“ハゼ音”“時間”“チャフの落下量”“重さ”で判断出来るようにする。色の付き具合を確認するために、何度も手を止めてしまえば、熱の入り具合は全くの別物となってしまい技術向上は見込めない。最終的にはカップによって良否を判断するが、これが正確に出来るようになると、外観の善し悪しが味の善し悪しとイコールにならないことが解ることだろう。更に、焙煎は、深度目標に対して熱のかけ方が大きく異なるので、色見本を作っても全く意味を持たない。豆の出すシグナルを余すことなく受け取れるようになる事が、技術習得の第一歩となり、焙煎を追求して行く限り、永遠に感知しなくてはならない最も基盤となる部分である。