ファースト・セカンドステージ間を“蒸らし”と言い、セカンドステージで成分の溶解不足を補う為に、ファーストステージ後にお湯を注がない時間を設けた行程。
 お湯を粉に注いでもすぐに内部まで浸透できず、蒸気によって浸透させ成分が充分溶解できるようにする準備時間である。と、この様なニュアンスで説明されている。では、実際に蒸気がどの程度の役目が果たしているのだろうか。ここで問題として取り上げたいのは、サイフォンの抽出時間の設定時間が1分であること。メッシュの違いはあるが1分間で十分に成分を溶解できている。もし、浸透だけの目的であるなら、粉をより細かくすれば済む事である。なぜ、細かくしてはいけないのか?ドリップはお湯を注ぎ、浸透させ、成分を溶解させるだけの作業ではないからであり、インターバルが蒸らし(溶解時間調整)だけに行っていないからである。また、もう一つの問題点として、ファーストステージでコーヒー層を膨らましすぎた時は、オーバー抽出になってしまうことが上げられる。粉から出てきたガスは、お湯に対してブレーキング現象を引き起こす。“膨らましすぎる=ガス抜きが出来ていない=より強いブレーキング現象=コーヒー層の通過効率が悪い=濾過(抽出)時間が長い”と、こんな図式が見えてくる。但し、この他にフィルターの目詰まりによる流程ベクトルの変化などのファクターも沢山絡んでくるので、オーバー抽出になってしまう原因はこの1つというわけではない。話を元に戻すと、コーヒー層の膨らみをもたらす気体を放置し、次から次へとお湯を注げば、ガスは層から解放されずより強大なブレーキ力を作用させてしまう。そのブレーキング緩和のために、インターバルを設けてガスを上部へ排出させている訳である。
 更に、ファーストステージで上方部分から濾過し始めた流れは、抵抗がより少なく速い流れを形成する。そのままお湯を注ぎ続ければ、そのドアが開かれた部分から多くのコーヒー液を通過させ、表層にある粉は過抽出となり、下層に行くに従ってより未抽出な粉を残す。これでは粉全体から平等に成分を溶解させることは出来ない。インターバルはお湯を注がないことで一度開いたドアを閉じさせ、新たな流れをセカンドステージで築かせる行程であり、粉への浸透を促させる事はそれほど大役を果たさせている行為ではない。