サイフォンという器具は、フラスコ内のお湯を沸騰させ、その蒸気圧を利用してロート上で抽出を行い、熱源のエネルギーをカットしてフラスコ内を負圧にし素早く濾過する仕組み。
ロートに上がったお湯が沸騰しているかのように錯覚するが、実は大気によってロートや湯面を冷やしているので沸騰はしていない。
しかし、火力調節を行わずにいるとロート内が攪拌され、湯温も高めになる。
これだと油脂分が抽出液に混濁され、また、雑味までも抽出され不快な味を呈す。
火力をコントロールすればこの器具ならではの短時間抽出によって香りの成分をより多く取り入れる事が出来る。
逆にドリップでも間違った淹れ方をすれば、それより更に酷い味にもなりえる。
サイフォンのお湯が移動する理論をしっかり把握しなければ、湯温や時間の設定を確実にする事は出来ない。
因みに、理論さえ把握できれば、味はともかく60℃以下のお湯でも抽出は可能になる。
 そもそも、浸漬式とは不思議な表現である。
コーヒー用語のその殆どが外国語表示なのに対し、あえて日本でも日常に全く使う事のない言葉をあえて使っている。
ヨーロッパではボイル式と飛んでいるようであるが、こちらはもっとニュアンスが違ってくるように思える。
 元々、抽出方式として分別しているので、粉とお湯の接触方法に注目して分類べきモノと考える。
ボイル式とは、ターキッシュ コーヒーの様に、粉と接触しているお湯が熱源によって、直接、加熱されて行く方法である。
よってサイフォンはこの方法とは違う。
 サイフォンの利点は、きっちりと抽出湯温・時間が揃えられる事にある。
抽出時間1分と設定したらその間に抽出される香味すべてがお湯に溶け込んだ溶液となる。
ドリップで抽出総時間が1分になるような抽出方法の場合とは大きく異なり、しっかした香味に整えられる。
反面、そのテイストから大きくずらし、どっしりしたボディーのコーヒーにしようと思って設定を変えても、テイストが全体に移動する為、非常に尖ったモノになる。
 間違った使い方をすれば、どの器具を使っても美味しい味とはほど遠いモノとなる。
要は利点を活かす使い方が、どの器具にとっても重要であると言う事が言える。