
検証1 膨らみの正体
お湯をかけると豆から出てくる気体によって、粉の層全体の体積を増やす。しかし、豆自体(粉)の容積は殆ど変わらない(豆自体の体積増加率20%未満)。
その気体は、焙煎時に出来た空洞にお湯が染み込み、溜まっていた気体が外に押し出されたもの。
焙煎のやり方によって空洞のでき方が違い、特に上手な加熱行程が行われなかった極浅煎りは空洞が出来ずにお湯と接触してもほとんど気体が出ない(膨らまない)。
接触湯温が高いと、水分子の運動の刺激や温度による膨張によって気体がより早く豆の外に出され、粉の層は、より早く大きく膨れる。
気体はお湯と接触しなくても徐々に排出されており、劣化が進み大気と同圧になった状態では粉の層を膨らませるほどの量がない。
検証2 出てくる気体の影響
検証1より導かれた事によって、焙煎の良否・鮮度が判断できる。この2種類の豆は美味しくない。
気体が出て来て層が膨らむと、お湯が層内を通過する抵抗となり濾過時間がかかる。
抽出時間が長くなるとコクが増し深みのあるテーストになる。長くなり過ぎると“いやな苦み”“いやな酸味”“えぐみ”“渋み”などの不快な成分が溶解され、当然、不味くなる。
考察
ある程度に膨らんだ方が美味しく感じるテーストに淹れやすい。
しかし、膨らみ過ぎた時は雑味が多くなる。
また、高すぎる湯温で膨らませた場合は、苦みが強かったり、焦げを感じる。
深煎り豆を低温で入れた場合は、ほとんど膨らみがなくなり通常の淹れ方では全く物足りないモノになってしまう。
粉の量を増やす事によって層を厚くし、ゆっくり注ぐとコクが出る。豆によっては粉を細かくして通過スピードを落とす方法も採れる。
まとめ
膨らんだ方が必ず美味しくなるわけではなく、ケースバイケースとなる。
よって、“よく膨らむ豆ほど美味しい”は正解とは言えない。