3月に入ったら途端に春の陽気ですね。

近頃やっと、朝布団から抵抗なく出られるようになりましたにこ







養生というのは、簡単に言うと、

季節に合わせたセルフケアによって健康増進することです。



日本には四季によって大きな気温変化がありますよね。

こうした自然の気候に合った養生をすることで健康を保ち、

長寿を全うすることが、自然の恵みや周りの人々に対する

最大の感謝の表現になる、ということ。

これってちょっと素敵な考え方ですよねkirakira



ちなみに、

日本の四季は地球が太陽の周りを一周する動きによって生じるもので、

これを用いて現在の暦が作られました。太陽暦ですね。



ところが昔は太陽ではなく、

月の満ち欠けによって暦が決められていました。

これは太陰暦とか旧暦などと呼ばれています。

そうなると、太陽と月の動きは違いますから、

実際の気温変化と暦の間にずれが生じてしまいます。



そこで生まれたのが24節気という考え方。

春夏秋冬をさらに6つに区切って季節を合わせるというもの。

それぞれ季節を表す名前がつけられていますが、

中国から伝わったものなので、若干日本の気候と異なる言葉もあります。

中国の旧正月は、雨水の一番手前の新月から始まりますよね。



養生といえば、知られているのが貝原益軒の「養生訓」です。

彼は他にも「大和本草」という書物を著しています。



本草とは薬用に値する植物や動物、鉱物の特徴や薬効を述べたもの。

日本人が初めて書いた本草学の本であり、

また江戸時代以前の生物学書や農学書の資料はこの本しか残っていないので、

当時の日本における生物学や農学を知る上でとても貴重な書物なのです。



養生訓に話を戻しますが、こちらの本、

私も時間があれば適当にページをめくって読んだりしてます。

最初に読んだ時は「欲望を慎むこと」と随所に書かれており、

そんなにガマンするのもストレスじゃない?と思ったりしました。



でもそれは、この一文によって払拭。



人の生命力というのは、使えば減るし、増やす努力をすれば増える。

このバランスがマイナスなら、どんどん生命力が少なくなり、

病気になりやがて死ぬであろう。

増やす努力もしないから短命で終わってしまう。

生命力とは限りあるものだから、

限りのない欲望にそれを使うのはまちがっている。





まさに。



老子の言葉にこんなものがあります。

人の命は我にあり、天にあらず。



人の命は天からの授かりもの。

しかしそれを長命とするか短命とするかは自分にかかっている。

天寿を全うしたいならば、すべてに感謝の気持ちがあるのなら、

養生が欠かせないということね。



それにしても、日本人はなぜこうも

欲望を律することができなくなってしまったのでしょう?



「やりたいことをやる」「食べたいものを食べる」

そんなことが簡単にできてしまうのが現代。

でも時には侍のように欲を慎むのも、

誇り高い美しさを感じさせるなぁ、と思う今日この頃です。

あ、でも人生に対してはいつも貪欲にね・笑