立て続けに映画の記事アップ どんだけ好きなんだって感じ・・・?てへ


3月31日(土)から「少年と自転車 」という映画がBunkamuraル・シネマで公開されています映画


この公開を記念して、ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟監督の過去作品が特集上映されていましたクラッカー 劇場公開時は見逃してしまい、ずっと観たいと思っていたので、一気に勢いで観に行ってしまいましたよビックリマークもちろんこの新作も観に行く予定でおります。私が今回観たのは「イゴールの約束」「ロゼッタ」「息子のまなざし」「ある子供」の4作品キラキラ☆ 「ロルナの祈り」を観れば全作品制覇!でしたが、惜しくもそれはならず…ガクリ


「ロゼッタ」と「ある子供」ではカンヌ映画祭最高賞のパルムドールを受賞王冠1、「息子のまなざし」では主演男優賞受賞と、まさに映画の中の映画といった風情の作品たちですねバラ



イゴールの約束
ホメオパス&ハーバリストErikoのブログ




ロゼッタ
ホメオパス&ハーバリストErikoのブログ



息子のまなざし
ホメオパス&ハーバリストErikoのブログ



ある子供
ホメオパス&ハーバリストErikoのブログ





中でも私が感銘を受けたのは「イゴールの約束」。



ダルデンヌ兄弟の初期の作品で、この映画で彼らは注目を集め始めたんだそうなおぉ!なみにこの主演の男の子ジェレミー・レニエ男の子は、約10年後に製作された「ある子供」の主演として大人の顔を見せていますよおっけー彼は「ロルナの祈り」にも出ているから、ダルデンヌ映画の象徴とも言えますね宝石赤
                    

                             星

                             星

15歳のイゴールは自動車の修理工場で見習いとして働くかたわらで、父親ロジェの外国人違法労働者売買の仕事を手伝っていた。「本当に修理工になりたいなら行くな」と言われながらも、父親からの呼び出しに仕事を抜け出すイゴール。結局、修理工場での仕事はクビになってしまう。そんな折、突然移民局の抜き打ち査察が入ってしまい、違法労働者のひとりであるアミドゥが建設現場から落下してしまった。必死で彼を救おうとするイゴールだったが、それをよそにロジェは警察沙汰を恐れて医者を呼ぼうとしなかった。そして結局、アミドゥは妻と子供の世話をイゴールに頼み息絶えてしまうのだった。残された妻のアシタを赤ん坊共々アパートから追い出そうとするロジェに対して次第に不信感を抱き始めるイゴール。彼は自分が犯した罪を償うかのように、アミドゥとの約束を果たそうと行動に出るのだった…。

                                 星

                                 星



ダルデンヌ兄弟の映画は、一般的に言うと低俗な労働者階級の人たちに視点を置いたものがほとんだ。そういった点ではイギリスの巨匠ケン・ローチの作風に通じるものがある。映画の中で描かれている人たちの生活には驚くほどリアリティがあり、まるで彼らの行方を覗き見ているようなそんな気持ちにさせられるのだ。



豊かな日本で育った私たちにとって、その人々の考え方や行動は驚くほど倫理性に欠けており、どうしても主観を通して見ることができないのだが、ダルデンヌ兄弟監督にとってはそれがありのままの現実であるという。現に、ロゼッタの撮影場所となった非常に殺風景な街は彼らが育った街なのだそうだ。



私が両監督の作品が好きな理由のひとつにラストの描き方がある。通常は「観客が見たいと思うラスト」を見せてくれ、大いに感傷的になるのが主流だ。しかし、彼らの作品ではそうしたセンチメンタルな部分を一切排除しており、登場人物の厳しい現実がそのまま続いていくかのように映像が途切れる。その後の彼らの行く末を想像せざるを得ないのだ。そうしていつまでも彼らのことが心に残っていくのである。





イゴールは、なんのためらいもなく盗みをする。善悪や罪の意識がないまま、違法の仕事を父に言われるがままに手伝う。その報酬で指輪を買ってもらい喜ぶ彼には、その指輪が何の代償なのかまったくわかっていない。そこにはこれからの未来を背負う少年にそういった教育が施されていない現実や、同じ環境で育ったであろう両親の間違った指導を改めていくことができない社会に対する痛烈な批判が込められているようにも思う。