去年に引き続き、今年も「午前10時の映画祭 」が開かれています
朝10時からの上映限定で(映画館によっては終日上映しているところもあります)、昔の名作がスクリーンで観られるという画期的なイベント 東京ではTOHOシネマズみゆき座で行われています。今となってはスクリーンで観ることのできない黄金の名作50本を、週ごとに区切り1年かけて上映してくれるのです DVDよりも断然映画館で観たい派の私にとって、これ以上素敵なイベントはありません しかも
特別上映なので、1000円です上映作品やスケジュールはHPにありますので、是非チェックしてみてくださいね
というわけで、「素晴らしき哉!人生」を観に行きました
作品自体は知っていたものの、内容はまったく知らず。もう完全ノックアウト やられてしまいました。いっしょに観に行った友人と、日曜の朝っぱらから号泣です
翼のない2等天使、クラレンスがいました地上で生きるジョージ・ベイリーの危機を救うことができたら、晴れて翼をもらえることになり、まずは情報収集として彼の生い立ちを知ることとなりました ――
小さな頃から責任感が強く好奇心旺盛なジョージは、こつこつと貯めたお金で大学へ行き、建築家になって世界を見るという大きな夢がありました。しかし、労働組合を営む父親が急死してしまい、仕方なくそのあとを継ぐことに・・・。自分のお金で弟を大学へ行かせ、彼が戻ってきた暁には組合を引き渡す約束をするが、弟はすでに結婚しており妻の父親の事業を引き継ぐことになっていた。
夢をあきらめきれないジョージだったが、村の人たちのために必死で組合を続け、結局は幼馴染のメアリーと結婚し、その小さな村にとどまることとなった。そんなある日、共に働く叔父が組合の大金を失くしてしまう。絶望から川に飛び込んで自殺を図ろうとしたそのとき、彼より先に飛び込んだ者がいた。クラレンスだ。クラレンスはジョージをこの危機から救うために地上へ降りてきたという。自殺を阻止されてしまったジョージは「俺なんて生まれてこなければよかった」と漏らす。それを聞いたクラレンスはジョージに「彼が生まれていなかった世界」を見せることになるが・・・。
昨今の映像技術革命を受けて、こういった脚本勝負の娯楽超大作が立ち消えてしまったように思う大作といえばアドベンチャーかSFもので、良質な映画となればアカデミー賞ノミネートを狙ったような”優秀映画”や、エンターテインメント性に欠けるドラマだったり、シネコンでは観られない単館ものがお決まりになっている。観たなという満足感や醍醐味、いつまでも忘れることのできない感動 を味わわせてくれる映画が少なくなってしまったのが本当に残念でならない。
「素晴らしき哉!人生」は娯楽映画としての完成度も高く、しかもそこから学び、感じ取って、人生を豊かにすることができるヒントが詰め込まれた、まさに「素晴らしい」映画だ 作品の終盤はクリスマスに繰り広げられるため、海外ではよくクリスマス映画としてテレビで放送されることが多い。確かにクリスマスに家族そろってみるにはもってこいの作品だと思う
何を持ってして人生は素晴らしいと思うのか、それは人それぞれだ。思い通りの人生を歩めている人なんて、そうたくさんはいないだろう。時には回り道をしたり、時には自分の思惑とは180度違う場所へ導かれてしまうことだってある。それでも、今そこにあるものを大切にすることで、人生が何倍も豊かになって、いつの間にか傍にある幸せに気づくのではないかと思う。自分を愛してくれる人、必要としてくれる人、そんな人たちのために尽くすことは決して平凡でつまらない人生ではない。そして、心からそう思る日がくれば、「素晴らしき哉!人生」と言えるに違いない。
原題は「It's a wonderful life」ですが、邦題が上手いですよねえ そういえば似たようなタイトルで「Life is beautiful」というイタリア映画がありましたが、これも原題そのままを邦題にしてくれて嬉しかった記憶があります この映画は日本で爆裂大ヒットでしたなあ また違った意味で人生の素晴らしさを教えてくれる映画でした