前回のブログ では、牛乳の主成分である動物タンパクのカゼインがいかに癌細胞の形成を促進するかについて書きました。では植物タンパクもやはり同じような効果があるのでしょうか?

答えはNOです。


同じ方法でカゼインを植物タンパクの代表であるグルテン、そして大豆たんぱくの2種類を使って実験を行ったところ、カゼインのときのように癌病巣が発達することはなかったのでした。


その後、さらに次のような実験が行われました。まずは全てのマウスに一定量のアフラトキシンを与え、2つのグループに分けます。

1 20%のカゼインを100週間にわたって与え続けました
2 5%の低たんぱく食を100週間にわたって与え続けました


これらのマウス、実験が終わった100週間後にどうなったと思いますか?1 のグループのマウスはなんと、ほぼ半数が死亡、残りは肝臓がんに侵されて瀕死の状態でした。ところが2 のグループの全てのマウスはつややかな毛並みを持ち、元気に走り回っていました。そしてさらに判明したことは、低たんぱく食を与えられていたマウスのほうが代謝燃焼率がより高く、体重増加や腫瘍形成につながる脂肪蓄積が少ないということでした。


さて、癌も種類はさまざまですが、最近女性の間でとても恐れられている「乳がん」について少し触れたいと思います。中には乳がんは遺伝によるものだと信じきって、発病してもいないのに乳房を切除してしまう人もいるのだとか。あいにくですが、遺伝子が乳がんに与える影響はなんと3%にも満たないとの研究結果が出ているそうです。原因は人それぞれですし、いろいろな要素が混ざって発病するのだとは思いますが、何かしら大きな原因があることは確かなようですね。


まず初めに分かりやすく「乳がんになる可能性の高い人」の症状をひとつ取り上げてみましょう。これはたくさんの研究リサーチにより明らかにされている事実ですので、聞いたことのある人もいるかもしれません。


初潮が早い人


初潮は体が大人の女性として成長し、すでに生殖期間へと達した証です。成長を早めてしまう要因として、「過剰の成長ホルモンIGF-1Insulin Growth Factor)摂取」が挙げられます。これは人間の子供より何倍も早く大きく成長する子牛が飲む飲み物に多く含まれています。そう、牛乳です。そしてさらに、動物性食品全般の摂取はこの成長ホルモンを増やす傾向があるのです。成長するということはイコール「細胞分裂を繰り返す」ということですから、この成長ホルモンはもちろん細胞分裂を促進します。体内で猛スピードで分裂する細胞って何だと思います?癌細胞なんです。よって、このIGF-1が大きな癌の原因であるということは、これまた多くの研究で明らかにされてきました。
 



この成長ホルモンと並んで、初潮が早いということを意味する重要なポイントは、「エストロゲン過多」です。エストロゲンとはプロジェステロンと並んで重要な女性ホルモンの一種です。このホルモンの高低差によって特に生理中または前後に、気分のムラであったり、体調不振などの症状が出てきます。このエストロゲンレベルが常に高いと、生殖期間である乳房や子宮、卵巣などは敏感に反応し、細胞に異常な成長つまり癌を促してしまいます。初潮が早いということはそれだけこのホルモンにさらされている期間も長くなるということですね。


ではこのエストロゲンレベルが高くなる理由は何でしょう?もうお分かりかもしれませんが、動物性食品の過剰摂取です。ホルモンは脂肪でできているため、脂肪が増えればエストロゲンレベルもアップします。さらに乳製品には、外因性エストロゲンや擬似エストロゲンなどのホルモン撹乱物質が混入しており、女性のホルモンバランスをいとも簡単に崩してしまいます。



ちなみに妊娠避妊薬のピルも擬似ホルモンの一種ですので、服用していると女性生殖器官の発がん率はぐっと高くなります。日本では容易に手に入らないのが救いですが、ヨーロッパではなんと無料でもらえたりします。中には10年間飲み続けているなんていう人も…ガーン 考えただけでも恐ろしいですね...ジブリ 千と千尋 かおなし



次章では癌を防ぐ食事について書いていきます。



宝石緑 前回そして今回も含めて参考にしているのが「チャイナ・スタディ」という本です。今回私が言及したのはほんの一部ですが、そのほか肥満や心疾患、糖尿病、自己免疫疾患など、多岐にわたって詳細が書いてあります。興味のある方はぜひ一読を。

原書「China Study 」 T・コリン・キャンベル著
訳書「葬られた第二のマクガバン報告書 」(上・中・下巻) 訳・松田麻美子


また乳がんに関する本では下記をオススメします。4度の乳がん再発を繰り返すも、ある食事法で完全に病を克服した女性の本です。

原書「Your Life is in Your Hands 」 ジェーン・プラント著
訳書「乳がんと牛乳 」 訳・佐藤章夫