これまで数回にわたりホメオパシーの基本的なことを説明しました。代替医療のひとつとしてどのような発展を遂げてきたのか、その治癒プロセスなどお分かりいただけたかと思います。なので、今後は具体的な症状とそれに効果のあるレメディの紹介を兼ねて、どのようにホメオパシーを日常の身近な症状に使っていくかを書いていこうと思います。
先日、友人から癌について相談を受けたこともあり、第1回目は最大の鬼門である「癌」について書こうと決めました。世界人口の死亡理由第二位であり、一番恐れられている癌という病気にホメオパシーは効くのでしょうか。
私たちホメオパスは「ホメオパシーは癌に効く」と言うことは禁じられています。医療と認められていない日本ではもちろん、これは全てのホメオパスに共通して言えることです。ただホメオパシーが癌治療に有効であった実証例はいくつもあります。
癌の治療にあたり、まず考えなければいけないことはなんでしょう?
すべての物事にはCause(原因)-Effect(影響)-Result(結果)という順序が成立します。なぜ癌になったのか、を探るのが一番重要であり、癌を治す最速の手段であるといえますが、人間の体はとても複雑でその原因をひとつに絞ることは到底できません。誰一人として同じ原因を持つ人はいないわけですしね。とはいえ、ほぼ全ての癌患者に共通していることが3つあります。
日常的な強い精神的ストレス
食生活の乱れ-血質の汚れ
家系などの遺伝
まず3番の遺伝説ですが、これは食べ物や生活習慣を共にすることで同じ体質に育ち、また癌になりやすい性格などを両親や祖先から受け継ぐためになりうる理由です。よって、両親が癌だからといってその人も癌になるとは限りません。本人の努力により、回避することは可能です。
「強い精神的ストレス」について簡単に説明します。以前にも少し触れましたが、人間の体内ではなんと毎日のようにガン細胞が生まれています。それを免疫システムであるリンパ球が働き退治しているので、発ガンに至らないですむわけです。つまり免疫が抑制された状態(リンパ球の減少)になってしまうとガン細胞はたえず増殖するので、結果発ガンしてしまうというわけです。そのリンパ球を減らしてしまう最大の理由がストレスです。
「食生活の乱れ-血質の汚れ」これは陰陽五行や漢方薬の観点から見てとることができます。陰陽五行はマクロビオティック食事法などを通じてその指針が知られるようになりましたが、病気の傾向を見るときに大いに参考になるひとつのツールでもあります。健康の最大の鍵であるエネルギーバランスを乱すのは極陰、極陽の食べ物であり、それによって血液が汚れて癌に発展するというわけです。漢方では「病は汚血より生ず」という言葉があるくらいです。
穀物と豆、野菜中心だった古来の日本食が消えつつあり、海外から流入してきた肉製品や加工食品、精製された砂糖たっぷりの菓子などが蔓延しているのを見れば一目瞭然といえるでしょう。ちなみに1番目の「ストレス」は血液を汚す理由でもあります。ストレスによって過度に緊張した交感神経は血管を収縮させ、身体を冷やし、老廃物の排除を抑制してしまうため、血液が汚れてしまうのです。
次のチャプターでは、癌になりやすい人の性格や、癌症状に使われる主なレメディの説明を書いてますので、よかったら読んでみてください。
ガンという病気についてⅡ