生きている環境は日々変わっていくものだ。

何気ない仕事の毎日、同性の彼女との連絡がなくなってどれぐらいが経つだろうか。

最後に交わした反応や音信不通の期間を考えると自然消滅なのだろう。

追うべきだったのだろうか?

よくわからなかった。

 

そんなこんなで仕事に没頭する生活が始まった。

ただ、今までの人生の中で知り合った人が多かったこともあり、多くのコミュニティに参加していた私はちょくちょくいろんな人と食事したり、お酒を飲んだりしていた。

 

あるとき趣味仲間同士が飲み会の時にちょっとした発表があるとのことだった。

それは結婚の報告だった。

非常にめでたいことだ、私は心から祝福をした。

 

少し音信不通になった人のことを思い出したりはしたが、特にうらやましかったり等は思わなかった。

 

そんな時だった。

趣味の友人「趣味でつながるっていいねぇ」

私「本当だね」

趣味の友人「俺は出会いもないし、自分に自信もないしなぁ」

私「そんなことないでしょ、いい人きっといるって」

趣味の友人「じゃあもし俺が結婚してくれって言ったら」

私「笑」

趣味の友人「まあ冗談だけどね、だって付き合ってる人いるて言ってたよね」

私「まあ、そうね」

趣味の友人「残念だな~」

 

私は別にその人のことを知ってはみたがったが流してしまった。

 

もし本気で告白されたら私はどう返すんだろうなって思った。

実際に結婚をする人を見て私はなんとなくそんな疑問を持った。

相手に私はなんて返答すればいいのだろうか。

 

考えた結果パターンは3っであった。

 

1、全てを話してみる。

全てを話した場合、それでもいいと言ってくれるか、断られるかのいたってシンプルな回答になるだろう。

それでもいいと言ってもらった場合、私は理解者を得ることができるが。

断られた場合、そのコミュニティにいづらくなるだろう、最悪の場合みんなが知ることになるというデメリットもあった。

ただ相手にとって誠実であることは守られる。

 

2、不妊症だけどいいかと半分うそをつく。

どう頑張っても私に無理なことをはじめに話してしまおうと思った。それ以外はばれないと信じて。

お互いの時間を共有する以上、相手の夢をつぶしてはいけない。

 

3、墓場まで自分の秘密をもっていく。

要は何一つ話さないということだ。

死ぬまで嘘をつき続けることになるが、私は嘘に包まれている間は普通の奥さんになれるんだろうと思う。

ただ、気の休まらない生活になるだろう。

相手への裏切り行為と、海外の離婚の判例で見たことがある。

 

悩んだ結果、SNSでみんなの意見を聞いてみたが、きれいに3つに分かれる結果となった。

選びようがないよね。

 

大切なもの同士を天秤にかけているようなものだ。

どちらに傾いても何かを失う選択を迫られる。

いっそのこと自分の過去を忘れることができたら、どんだけ楽だろうか。

 

なんか酔えない飲み会だったと思いながらその日は帰宅をした。

 

職場では一人でやる作業が多くなっていった。

静かな研究室、ディープフリーザーと安全キャビネットの音しかしない。

そのなかで、エッペンドルフを使い一人静に作業をする。

そんな環境が心地いい。