長いこと雨が降っていませんね。

空気も土も乾燥して、お野菜もやや高騰。

雨降り山、阿夫利神社の大山に願いをかけなきゃね。

☆☆☆

『小澤征爾さんと、音楽について話をする』を読み始めました。

小澤征爾さんと村上春樹さんの対談。

春樹さんの前書きから、もう、震えます。

小澤さん、知ってはいたけど、やっぱり凄いなあ。

世界に認められるっていうことは、やっぱり究極に好きであるということがベースにあって、好きだからこその努力、好きなものに注ぐエネルギー、どこまで上り詰めても満足しない向上心、みたいなものが、世界中の人々の心を掴むんだろうな。

春樹さんから紡がれる言葉には、押し付けがましくない安穏とした説得力があります。

癌治療から復帰したときのことを、書いている部分を抜粋して紹介しますね。


「その身を粉にした奮闘ぶりに素直に心を打たれるとともに、『こんなことをしていて、果たして身体は大丈夫なのだろうか』と心配しないわけにはいかなかった。

そこに生まれた音楽は実に素晴らしく、また感動的なものだったが、それを可能にしたのは、小澤さんが自分の中から最後のひとかけらまでかき集めたエネルギーだった。

しかしその姿を目の前にして、ひしひしと僕に実感できたことがあった。

この人はそれをやらないわけにはいかないのだ、

ということだ。

(略)

なぜなら、小澤さんにとっては音楽こそが、人生を歩み続けるための不可欠な燃料なのだから。

極端な言い方をすれば、ナマの音楽を定期的に体内に注入してあげないことには、この人はそもそも生命を維持していけないのだ。

自分の手で音楽を紡ぎ出し、それを生き生きと脈打たせること、それを人々の前に『ほら』と差し出すこと、そのような営みを通してーおそらくはそのような営みを通してのみーこの人は自分が生きているという本物の実感を得ているのだ。」

☆☆☆

読み進めていると、音楽、ど素人ですが、クラシックが聴きたくなりますよ。

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