「バトン」

あのいわし雲のひとつも

あの雪のひとひらも

あの草原の綿毛も

地球の大地と大気のなかを

めぐりめぐっているんだよ

めぐりめぐって旅をして

わたしの髪や

あなたの指先に

なることだってある

だから

世界中の

人も動物も植物も

すべては宇宙の欠片で

繋がりあい

触れ合い

愛しあうもの

いのちのバトンを受け渡し

食べて食べられて

生まれて育って

それが終われば

だれかの養分になって

そのように

せかいは手をとりあって

地球というひとつのいのちを

未来へ運んでいる

あなたはいわし雲

わたしは雪のひとひら

生まれる子どもは草原の綿毛

地球が笑って生きれるように

わたしたちも笑って生きよう