J-POPとは言えども、そのサウンドに各国の民族音楽を取り入れている曲はたくさんありますよね。その国の音楽自体には疎くても、一度聴いた時にすぐ「これサンバっぽい!」とか「めっちゃ和を感じる」と分かってしまうような。

そしてそういう曲を聴くと、その時間だけはまるで自分がその国に立っているような感覚を覚えたりします。

 

私はケルト音楽が大好きで、その要素が入っている音楽はのめり込んでしまいます。ティンホイッスルの音だけで鳥肌が立っちゃうような。

マッキーの曲だと『Hey...』『Theme Song』『四つ葉のクローバー』『Elderflower Cordial』あたりはケルト要素が入っていますね。もちろん全部大好きです。

あと、フラメンコも結構好きです。カスタネットにフラメンコギターの音や、シューズの音がめちゃくちゃ良い。『祈りの歌が聞こえてくる』とかまさにそうですよね!!

今回は、そんなフラメンコ要素が含まれた曲から、こちらをご紹介します。

 

 

槇原敬之/HAPPY DANCE

 

Single 1998.7.23発売

 

Album『Cicada』収録曲(M-4)

※Album Version

 

 

ソニー時代の名曲。

めっちゃくちゃ好きです。

 

別れゆく二人の最後の日を明るく描いた歌詞と、それを彩るメロディのミディアムナンバーなのに、アレンジは短調でどこか物悲し気で。

シングル曲とはいえあまり有名ではありませんが、個人的には隠れた名曲だと思っています。

 

 

『君の答えはもうちゃんとわかってたよ』から始まる別れのワンシーン。

二人の思い出を一つも残さないように、まるで花吹雪のように思い出をばらまいて、それを背景に二人で踊って別れる。

二人が別れるその日を、『僕等がまた新しい幸せを探し出す 一番最初の日』と言い換えるそのワードセンスに、ただただ感嘆するばかりです。

決して険悪な別れではなく、互いの未来のために別れる。でも、それでも少し泣きそうになっている『君』の描写が、とてもとても美しい。

 

そんな詞を彩るメロディが、これまた美しいです。

全体的にハイトーンで、Bメロは高い声がずっと続きます。ソニー時代のマッキーの綺麗な声が、明るく別れゆく二人を映し出しています。フラメンコ調のアレンジと相まって、マッキーの声が躍っているよう。

サビ終わりの手拍子の部分は、ついつい合わせて叩きたくなります。

 

 

なお、シングルとアルバムでアレンジが異なり、アルバム版の方がどこか暗く未練が残る雰囲気を醸し出しています。ソニー時代の、どこかダークな槇原敬之が色濃く出ているアレンジとなっております。

特に2番終わりの間奏がシングル版とは大きく異なり、カスタネットの音が妖しく響くのがたまらなくゾクゾクとさせてくれます。

同じ曲なのに何故か違う曲のように感じるので、ふたつを聴き比べてみても面白いですよ。

 

以上、『HAPPY DANCE』の紹介でした。

ソニー時代の曲、ほんと最高です。