00年代以降のマッキーは、ご自身の経験もあってか私小説的な『ラブソング』から『ライフソング』へとシフトしていきました。
SMAPに提供された『世界に一つだけの花』が特に有名になりましたが、彼が作るライフソングはちょっとした日常を切り取ったものから、人生そのものに向き合った作品まで数々。
2004年に東芝EMIに移籍し、その間に発表された2作品は特にそんな『ライフソング』が目立っているなあと感じます。
日常に、そっと寄り添っているような。
その2作のうちから、あとに発売された下記をご紹介。
関西の下町気分を味わえる、ライフアルバム。
初回盤 / 通常盤
Spotify(通常盤
『LIFE IN DOWNTOWN』
2006年 2月22日発売
槇原敬之 14枚目のオリジナルアルバム。
タイトルがそのまんま『下町の暮らし』ですね。
マッキーが幼少期に暮らしていた大阪府高槻市と、ご親族が暮らしていた兵庫県尼崎市の雰囲気を感じる、人情溢れたアルバムです。
早速、収録曲について簡単ですが紹介。
1.いつでも帰っておいで
めちゃくちゃ軽快なサウンドで始まる、まさに下町の歌!
初っ端から「生きていたのかよ」って言われてるおばあさんがいる、下町感マシマシなのがいい。
こんな町はたくさんだ! と出ていった人のことを歌っています。いつでも帰っておいでというフレーズが、人情溢れていて温かい。
アルバムの1曲目にめちゃくちゃ合っていて、これからこの町の暮らしを体験するぞ! となれるような歌。
2.Naked
クールなイントロから始まる、ロックナンバー。
タイトルは『裸』という意味です。
心に纏う鎧を取り去って、ありのままの心で接そうといったメッセージが込められています。
メロディ、アレンジがバッチバチにカッコいい!!
3.ほんの少しだけ feat. KURO from HOME MADE 家族
35枚目のシングル。
HOME MADE 家族のKUROさんとコラボされています。
幼馴染(?)と縁日に行った昔の出来事と、それを振り返る今の二人が描かれた、優しいラブソングでありライフソング。
マッキーがラップを歌う貴重な曲でもあります。
4.星の光
めちゃくちゃエフェクトかかりまくった声(?)から始まるバラード。星空を見上げながら出会えたことに感謝し、自分たちだけでなくみんな幸せになろう、と歌っています。
曲の説明から外れて申し訳ありませんが、2015年のcELEBRATIONのテーマがこの曲でした。オーケストラアレンジのこの曲は必聴です。
5.ゥンチャカ
34枚目のシングルc/w。
日テレのイベントのテーマソングでした。
軽やかで一緒に踊りたくなるメロディから、歌詞はメッセージ性が割と強め。
花火と爆弾は同じものでできている。世界で戦争が未だに続いているこの2026年、人を悲しませる爆弾なんかより、笑顔になれる花火をもっと見たいよなぁ。
ライブでは振付があり、一緒に踊れます。さぁ一緒に踊ろう!
6.月の石
人の手で採取されてどこかに飾られている月の石のことを思う主人公の心が書かれた、壮大なバラード。
太陽の光の力を受けて輝く月が、地球に持ち帰られて道を照らすことができなくなっても、物言わぬままそこにある。いつか輝ける場所に返してあげたい、と歌っています。
ピアノの音が響く1番から、日本の昔ながらの音楽を思い起こすようなアレンジへと変化していくのが特徴的。
7.親指を隠さずに
今はどうかわかりませんが、私が幼い頃は霊柩車を見かけると親指を隠せ、と言われて育ちました。
この曲はその迷信に触れています。親指を隠すより、手を合わせてあげたい、そう感じさせられるメッセージソング。
マッキーの作品で、露骨に人の死に触れたのはこの曲が最初かも。身近な人の死がきっかけになって生まれたSuch a Lovely Place(1997年)はありますが、その曲では露骨に死には触れていないので……
8.店じまい
ああ、神様というエフェクトの入った声から始まり、ドン! と銃のような音が入る衝撃的なイントロ。
銃を扱う店を営む主人公が、息子と同じくらいの子が凶弾に倒れゆく姿をテレビで見てしまったことにより、店を畳むことを決意する歌。(歌詞そのまんまですが)
割とノリのいいメロディ、アレンジながら、その歌詞はかなりメッセージ性が強め。
昨今のこともあり、考えさせられます。
9.明けない夜が来ることはない(ALBUM VERSION)
33枚目のシングル。
アルバム収録にあたりリアレンジされています。
シングル版、アルバム版共に、1番は本当に暗い世界にいるような雰囲気から、2番にかけてぱっと光が差し込んでくるようなアレンジになっています。
アルバム版のほうがバンド感強め。
余談ですが、TREASUarenaTOURでこちらのアレンジにて披露されました。
10.チキンライス
浜田雅功と槇原敬之 名義で2004年に発売された同曲のセルフカバー。作詞はダウンタウン松本人志氏。
正直、こんなにあったかいクリスマスソングはないんじゃないかな。という恋愛要素ゼロのクリスマスソング。
松本人志氏の幼少期の体験がそのまま歌詞になっています。完成した歌詞を見たマッキーが号泣していたことは割と有名。
最後の『チキンライス"が"いいや』のところがほんとにいいですよね。 個人的には『すっぱい湯気が⸺』のところも好きです。ここはマッキーが加筆したのかなぁ。
11.尼崎の夜空を見上げて
マッキーの幼少期を追体験できる歌。歌詞に出てくる『従兄弟』は、恐らくROLLYさんでしょう。
昭和40~50年代の日常って、こんな感じだったんだろうなぁ。体験してみたかったなあって聴くたびに思います。
『いつでも帰っておいで』と同じくらい下町の雰囲気をマシマシと感じられる、あったかい曲。
12.ココロノコンパス(ALBUM VERSION)
34枚目のシングル。
アルバム収録にあたりリアレンジされています。ちょっとイントロが長くなってます。
マッキーの曲の中でも真っ直ぐに突き刺さる、明るい応援ソング。『超えろ。』と同じくらい勇気をもらえます。
※下記2作品は、初回限定盤にのみ収録されています。
13.遠く遠く〜'06ヴァージョン
1992年発表『遠く遠く』のリアレンジ&セルフカバー。
携帯が普及したこの時代に合わせたアレンジになっていて、イントロ部分が電子音になっていたり打ち込みが多め。
原曲が上京したばかりの雰囲気だとしたら、'06ヴァージョンは10年以上経って、その当時を振り返っているような感じがします。
マッキーの声が92年当時と変化していることもあり、聴き比べてみると面白いです。
14.WHAT A WONDERFUL WORLD
ルイ・アームストロングの同曲のカバー。
あちらこちらでカバーされている超有名な曲です。
マッキーの英語の発音の良さがめちゃくちゃよく分かる。
以上、『LIFE IN DOWNTOWN』の紹介でした。
メッセージ性の強い楽曲がちらほらと見受けられるため若干人を選ぶかもしれませんが、アルバム全体を通して伝わる雰囲気は、まさに下町。メロディ、アレンジはマッキーの真骨頂が全面に発揮されています。
このアルバムを聴きながら散歩をすれば、どこかから大阪のおばちゃんがふらっと現れそうです。

