1970~80年代に流行した『シティポップ』。
商業的意図で生まれた言葉のために具体的な線引きは曖昧ですが、一般的には「都会的な雰囲気を持つ、洗練されたポップス」が該当します。
山下達郎、大瀧詠一、寺尾聡、松任谷由実、大貫妙子、杉山清貴、稲垣潤一(敬称略)など……たくさんのアーティストがその時代を彩られてこられました。
サブスクが主流になった今、若い方にも聞かれる機会が増えて現代のシティポップも生まれています。
私はそんなシティポップがめちゃくちゃ好きです。
その中から、稲垣潤一さんにフォーカスを置いて、1枚アルバムをご紹介したいと思います。
『稲垣潤一』というシンガーを知るならこれ。
Spotify
『REALISTIC』
1986年 3月1日発売
稲垣潤一 6枚目のオリジナルアルバム。
彼が初めてオリコン週間1位を取った作品でもあります。
重実博さんと共同で、初のセルフプロデュース。
編曲にTOPICS(稲垣さんのツアーバンド)が関わったのもここから。
これまで彼の声を生かした内気なサウンドが多かった中、こちらのアルバムは比較的明るめ。
秋元康氏を筆頭に、数々の作詞・作曲・編曲家が関わられており
その時代のシティポップがぎゅっと詰まった名盤です。
早速、収録曲について簡単ですが紹介。
1.UP TO YOU
作詞:秋元康 作曲:稲垣潤一 編曲:TOPICS
こちらは数少ない稲垣さんご自身の作曲。
アルバムの1曲目にぴったりなアップテンポな曲。
稲垣さんのハイトーンなお声が伸びています。
きっとこの後別れを選ぶと思われる二人が描かれる歌詞。
2.1ダースの言い訳
作詞:秋元康 作曲:林哲司 編曲:萩田光雄
10thシングル(両A面)。
ドラムの音が目立つ、こちらもアップテンポな曲。
喧嘩をしたカップルのちょっとしたワンシーンが描かれており、
情景の浮かびやすさはさすが秋元氏。
3.A Glass Of The Sorrow
作詞:売野雅勇 作曲・編曲:林哲司
高いホテルのバーで流れている様子がめちゃくちゃ似合うミディアムバラード。
これまでの稲垣潤一さんの楽曲に合った、内気なAOR。
ところどころ林哲司さんの編曲が光る。
4.April
作詞:秋元康 作曲:木戸やすひろ 編曲:大村雅朗
10thシングル(両A面)。
春は出逢いの季節でもありますが、別れの季節でもある。
恋人が別れを選択し出ていく姿を見送る、比較的アップテンポな曲。
最後のサビで転調するのがいい。
5.ビコーズ・オブ・ユー
作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:TOPICS
加藤夫妻が手がけた、『君』のために本気になる男性目線のミディアムナンバー。
「ボクサー、フィクサー、レーサー」の語呂合わせが気持ちいいのとサビのとてつもない高音が美しい。
6.愛のスーパー・マジック
作詞:安井かずみ 作曲:加藤和彦 編曲:TOPICS
こちらも加藤夫妻が手がけたミディアムバラード。
シングル曲がかなり強いこのアルバムですが、この曲はぜひ聴いてほしいおすすめ曲です!
終始聴こえる耳障りのいいコンガと、間奏のオルガンの音色が聴いていて気持ちいい。
7.彷徨える街
作詞:松本一起 作曲:松田良 編曲:TOPICS
イントロのギターリフが冴えるロックナンバー。バンドサウンドが強めですが、コテコテのシティポップ聴きたい! と思うならこちら。
サビの「俺さ」で伸びる稲垣さんの声がとっても気持ちいい。
8.バチェラー・ガール
作詞:松本隆 作曲:大瀧詠一 編曲:井上鑑
9thシングル。
歌詞通り土砂降りの雨に打たれている気分になるアレンジの別れの歌。大瀧詠一さんご自身のセルフカバーも有名ですね。
シングル版とアルバム版でアレンジが異なっており、こちらはバンドサウンドが強め。稲垣さんのボーカルも録り直しています。
大瀧詠一サウンドがしびれる!
9.風になりたい夜
作詞:さがらよしあき 作曲:伊豆田洋之 編曲:TOPICS
アルバムを締めくくる、静かでちょっぴりアダルティなバラード。
1stアルバム『246:3AM』の頃の雰囲気をふんわりと纏っていて、濡れた声が染み渡ります。
以上、『REALISTIC』の紹介でした。
稲垣潤一さんをあまり知らないけど何か聴いてみたいな、という方にはとてもおすすめできるアルバムです。
今も全国を飛び回ってコンサートをされておりますので、ご興味があればコンサートもぜひ!
扇子やタオルがぶん回される様子は圧巻です。





